MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

後裔記と然修録

ミワラ〈美童〉たちの日記と学習帳

一息 6【脱皮の達人は、新しい冒険を楽しむ】学徒、マザメ

_/_/_/
『 後裔記(こうえいき)
ー 自伝(じでん)、エスノキッズと呼(よ)ばれた塾生(じゅくせい)たち ー 』

元気(げんき)にご挨拶(あいさつ)。
自修塾(じしゅうじゅく)です。
ぼくらの先輩(せんぱい)たちの自伝(じでん)、読(よ)んでみませんか。
心(こころ)が、元気(げんき)になります。
それって、簡単(かんたん)なことなんです。
_/_/_/ BIO.KR0202150003


闇雲な尽己は、進歩がない。
断言します。

遠慮なく書くけど、オオカミは、まさにこれ。
あいつは、同世代を見渡しても一番乗りで入塾し、学徒となった。
その理由は、一つ。
誰よりも早く、門人なりたい。
門人になって、一日も早く、旅に出たい。
つまり、早くこの町を出たいってこと。
門人になれば、町のみんなから祝福されて、胸を張ってこの町を出れる。

入塾して最初の課題は、尽己自反(じんこじはん)。
あいつは、いまだに尽己でコケている。

ちょっと、自分のことを書こうかな。
我が家は長年、小さな工場を営んでいる。
町工場ってやつね。
祖父も父も、口を揃える。

「うちみたいな吹けば飛ぶような町工場が生き延びるためには、位置づけが肝要なんだ」

位置づけ......それは、経営学の黄金率。
新しい商品やサービスをマーケットで成功させるためには、どのポジションが空いているかを掌握することが、何よりも先決。
競争相手を徹底的分析して、まだ誰も手をつけていない需要を探り当てる。
そこが、空いてるポジションってわけね。

もちろんオオカミのやつは、それよりもっと低い次元で、コケてる。
何度やっても、うまくいかない。
でもそれは、あたいだって同じこと。
違いがあるとすれば、それをどう捉えるか、その認識をどう考えるか、その考えからどんな行動を起こせるか......つまり、結果ね。

あたい......わたしは、その捉えた現実を、人生で嘗てない危機だと思った。
違う?
身体のどこかが病に脅かされていると、痛みや不快感が、それを知らせてくれる。
背中が痛かったら、すぐに食生活を変える。
胃の神経が、背中に集中してるから。
それで、胃痛は治る。
これ、自然治癒力ってやつね。

身体がそうなら、心も同じかも。
確かに似たようなプロセス、自然力がある。
人間力って呼ばれることもある。
そこが、それが、実は厄介。
なんでって、心の危機は、誰も知らせてくれないから。
だって、そうでしょ?
心に、病なんてものはないんだから。
じゃあ、どうする?

相手を変えても、場所を変えても、やっぱり同じ失敗をするってことは、明らかにその失敗の原因は、自分にあるってことね。
それを、不運だとか、運が悪いだなんて言って自分を慰める人もいるけど、ハッキリ言って、女性らしく優しい言葉を選ぶと、ド馬鹿ね。

運命は知命で始まり、軌道修正しながら、知命をも見直しながら、天命さえも認識の甘さあらば変更を辞さず、知命から天命までの49年間の道程(みちのり)を、ただただ尽己自反。
格物に悖らず、己の命を運ぶ。
然修の学とか七命暦の話をする前にこんな話をしちゃうと、なんかドン引きされそうだけど......。
閑話休題(それはさておき)。

度重なる失敗は、自分を変えなさい!っていう警告なのさ。
そう思えば、失敗も有り難く思えてこないこと?
失敗するってことは、裏返せば、まだ可能性が残されているってこと。
残り物には、福がある。
福......つまり、成功。

あいつは、何を尽己すればいいのか、それが判らなくって、苦しんでる。
てか、焦ってる。
何を一所懸命にやれば、相手は喜んでくれるのか。
それを知る方法を知り、知ったら自分を変えて、即行動。
つまり、脱皮さ。

人間は、脱皮の達人。
ここでいう人間ってのは、自然エスノか、和のエスノ。
亜種の自然人か、和の人たちってこと。
彼らの上位の種は言わずもがな、ホモサピエンス。

学問が、人間をどんどん変える。
その脱皮の回数は、セミにもヘビにも勝る。
セミの脱け殻は漢方薬に、ヘビの脱け殻は財布の中に収まって金運を招く。
でも人間の脱け殻は、屁にも悖る。
悖るくせに、しっかり臭い。
臭いのは、自分を実際よりも大きく見せようとしてたから。
臭いという漢字に、拍手 ♪
実際に大きかったのは、その臭さだけ。
しかも、絶大。

あいつに足りないものは、学問。
だって、何を尽己すればいいのか、それを知る方法は、然修録に書いてある。

自分を変える......。
経験したことがない。
だから、できない?
これ、有名な逃げ口上よね?

経験がないってことは、これからどんな新しい、どんなに素晴らしい冒険が待ち受けているかわからないという、胸踊るスリリングな楽しみが約束されているってこと。

ちょっと考え方を変えるだけで、誰だって、本物の人間になれる。

あたいたちが、まだ今よりもっと幼かったころ、そのことを思い知らせてくれる何気ない言動を、わたしは、オオカミの遊びのなかで見つけた。


◎今日の登場人物
◯無し。マザメの思いと考えのみ。

◎現在の七命暦(しちめいれき)
◯運命 無し。知命したら、第一循令。
◯循令 無し。知命してたら、飛龍。
◯時令 暖かいけど2月なんで、烈冬
◯恒令 今日は木曜日なので、六然(りくぜん)
◯伝霊 深夜の3時前。起きてるけど、それは、
わたしの潜在意識。だから、腹想。


_/_/_/
自修塾(じしゅうじゅく)の読み物

『 後裔記(こうえいき)

  • 自伝、エスノキッズと呼ばれた塾生たち - 』

◎メールマガジン
https://www.mag2.com/m/0001131415.html
◎ブログ
https://shichimei.hatenablog.com/

『 然修録(ぜんしゅうろく)

  • 教学、エスノキッズと呼ばれた塾生たち - 』

◎メールマガジン
https://www.mag2.com/m/0001675353.html
◎ブログ
https://shichimei.hateblo.jp/

『 亜種記(あしゅき) - 冒険エスノキッズ - 』
◎ 非電脳紙媒体(ひでんのうかみばいたい)
_/_/_/