#### 然修録「夢も希望もないという病と、対話の効能」 学徒マザメ 少循令{悪狼|あくろう} ####
職分も大事だろうけど、あたいは、未来に存在するかもしれない自分に、*夢も希望も持てない*。なんでーぇ?? ここ、今こそ、目的の学! *解決*♪ *他人の言葉*……*また揺らぎ*、悩む。解決すべきは、そこだ!
一つ、学ぶ。
職分……確かに、大事なことだと思う。
特に男どもの人たちは、仕事に{拘|こだわ}る。
仕事は、使命。
それを成し遂げるために、男たちは、{立腰|りつよう}する。
言葉の意味は、調べりゃ直ぐに判る。でも、じゃあ実際に、どうすればいいのかってことになると、どうすりゃいいのか、てんで解りゃしない!
なので……と、言わずとも、そのへんの事は、オオカミが、{力|りき}み{勇|いさ}んで、書いてくれちゃうことでしょう。
で、あたい。
いつもながら、悩みが多い。
じゃあ、その解決の糸口を、どこに求めればいいのか……。
《 あたいの悩み 》
将来の自分……{即|すなわ}ち、未来という時空に存在しているかもしれない自分に、夢も希望も持てない。
{何|なん}であたいは、もっと子どもらしく、自分を待ってくれている未来に、夢や希望を抱けないんだろう……って、思ってたけど、実は、{正|まさ}に今のあたいが、**今どきの子どもらし
く**……らしい。
皇紀2674年に実施されたアンケートに、こんなのがあったそうだ。
日本、アメリカ、韓国、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン。
若者13歳から29歳の男女、各国約千人ずつ。
問う。
「自分の将来について明るい希望をもっていますか?」
【日本以外の国】 8割から9割の若者が、YES。
【日本だけ】 YESと答えた若者は、たったの6割。
続いて問う。
「自分には長所はあるか?」
「自分自身に満足しているか?」
【{何|いず}れも日本は】 YESの人数が、最下位!
18歳以上の、正に若者なら、まだ判る。
自由な{非正規雇用|フリーランス}のアルバイターのことを、フリーターって呼んでるらしいけど、それが貧富の格差を広げ、少子化を加速させている。そんなんじゃ、将来が悲観されるのは、当たり前!
でもさ。
13歳から17歳の回答者には、納得できないわね。
だってそれ、正に、ムロー学人、ヨッコ門人、ワタテツ門人、オオカミ学徒の年齢じゃない! あたいだって来年、その年代に突入する。
13歳で、もう{既|すで}に、自分の将来を悲観してるのォ?
ダメだッ!こりゃ……。
しかも、他の6ヵ国だって、非正規雇用の増加や貧富の格差の拡大や少子化の広がりといった社会現象は、日本とまったく同様に、社会問題になってる。日本だけ特別な事情なんて、何も無い!
ここで問う。
なぜ日本の子どもや若者だけが、悲観的なのか?
自信を失っているから……そうだけどさ。
じゃあ、それは、{何故|なぜ}?
バカみたいに真面目過ぎて、過去の出来事や今の問題に、{囚|とら}われちゃってるから……って、考えられない?
「あんなことがあったから……」
「こんなことがあったから……」
「あんな問題だってあるし……」
「こんな問題だってあるし……」
……みたいな。
問われて無視したり、問題点を投げ散らかしたりするよりは、マシ?
……かもね。
でもさ。それって、気持ちが暗くならない?
その問いや問題点、{悉|ことごと}くぜんぶ好転して、明るい未来に、向かってるぅ?
だったらさァ、「自分の将来に、希望が持てない」だなんて、有り得んっしょ!
日本の子どもたちや若者たちは......。
【一】 過去の{嫌|イヤ}な出来事探しに、一所懸命。
【二】 問題やその原因探しに、一所懸命。
【三】 本当にやるべき事をやる勇気が、無い。
【四】 将来を明るくするための思いも考えも、無い。
【五】 勇気も思いも考えも無いから、行動も、無い。
以下、アドラー先生の語録。
「人の心理は物理学とは違う。問題の原因を指摘しても、勇気を{奪|うば}うだけ。解決法と可能性に集中すべきなのだ」
将来を悲観する = 〈将来をよくするための努力〉を放棄 = 楽ちん♪
楽ちんがいい♪ → 努力なんてしたくない → 過去の出来事や今の問題点を、言い訳にする。
こうやって人は、楽ちんな人生を自ら選択し、努力しないことに決めた{自堕落|じだらく}で勇気のない自分を、正当化しようとする。
努力しないから、(人間関係もうまくいかず、正規雇用もされず、結婚もできないかもしれない)と、自分の将来に悲観的になり、実際、その通りになってしまう。
結論。
自分の将来に、希望が持てない。
……その原因は、自分にある。
未来が、悪くなる。
……その責任は、自分にある。
自分の将来に、希望を持つためには……。
自分で、そう決めればいい。
未来を、よくするには……。
勇気を持って、行動すればいい。
以下も、アドラー先生の語録。
「遺伝もトラウマもあなたを支配してはいない。どんな過去であれ、未来は、『今ここにいるあなた』がつくるのだ」
《 悩みの解決を確実にするために 》
梅子さんと、対話すればよかった!
……失礼。
あたいの後裔記に出て来た母さん{燕|ツバメ}の話ね♪
〈結論〉を導き出せたってことは、いいことだと思う。
でもそれ、本当に自分で、理解できてるーぅ??
ここが、問題。
「でもさァ! それってさァ……」って言われて、(そっかァ! そうよねッ!)って思って、また悲観的になって、悩みはじめる……みたいな。
それって、解っちゃないってことだよねッ?
じゃあ、本当に理解する……正しく理解する……本当に正しく理解して、{揺|ゆ}るがない……ためには、どうすればいいのかッ!
結論。
それは、対話です。
粘り強い不退転の問答の応戦によって、理解は{吟味|ぎんみ}され、{鍛|きた}えられる。
自分と違った他人の思いや考え……それは、自分と違った他人の行動から{捉|とら}えられたもの。それが、大いに参考になる。自分が理解していることの本質や問題点が、浮き彫りにされるってこと。
相手……生身のヒト種や動物が、目の前に{居|い}なければならないということはない。書の中の他人同士の対話だって、同じことだ。書の中に、感情を移入すればいい。どちらか一方の人に移入してもいいし、新たに三人目となって、参戦したっていい♪
他人の話を{聴|き}くってのは、**聞こえ**はいいけれど、一方的に聴くってことは、往々にして聞き流しているだけに過ぎないことが多い。これは、今後、(気をつけとかなきゃ!)って、思う。
事実、書の中に生きる偉人たち語録も、この対話形式のものが、少なくない。
古代ギリシアの偉大な哲学者プラトンも、この対話{篇|へん}なるものを、残しているそうです。内容は知らないけど、ソクラテスも、登場するらしい。そのソクラテスは、知者として教示するのではなく、ごく普通に、対話のなかで、問答をしているだけなんだとか……。
対話、相手と自分の理解の確認……。
解ってない? ブレーキを掛ける勇気!
意志の疎通の確認……。
解り合えてない? ブレーキを掛ける勇気!
理解できないまま、理解されないまま、頑固に自分の考えを押し通したり相手を否定したりしても、何の解決にもならないってことかしらん?
これって、武の心にも、通じることよねッ?
武の心……{矛|ほこ}を{止|とど}めさせること。
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「教学編」朝7時配信……次回へとつづく。
「自伝編」は、教学編の前夜7時に配信です。
_/_/_/ 『息恒循』を学ぶ _/_/_/
その編纂 東亜学纂
その蔵書 東亜学纂学級文庫
その自修 循観院