MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

東亜学纂学級文庫

『息恒循』を学ぶ

一学78 ミワラ〈美童〉の然修録 R3.4.18(日) 朝7時

#### 然修録「狂え、破れ、開き直れ、浮き上がれ!」 少年スピア 少循令{猫刄|みょうじん} ####

 格物で*堅物*になった、ぼくとワタテツ先輩! そこには、徳を求めるあまり、落とし穴があった。*重いから*、落とし穴に*落ちる*。もっと浮き上がるほどに、軽くなれ! 美徳ある人間とは、*面白いやつ*なりーぃ♪

 一つ、学ぶ。

 サギッチの後裔記が引っ掛かるけど……送別会の第二話、もしかして、またぼくに振ってる?
 まァ、それは、後で考えるとして。
 ところで、オオカミ先輩。
 ここんとこ見ないなって思ってたら、先日、史料室の黙読コーナーで発見!
 道理で、{見事|ナイス}!な然修録♪
 そこへいくと、ワタテツ先輩は直球過ぎるし、ぼくは逆に、変化球が多過ぎる。
 オオカミ先輩が書いてた『明君家訓』の中で求めてる異見と{諫言|かんげん}の諫言って、陽明先生の格物に通ずる話だよね?
 いつものぼくなら、陽明先生と朱子との格物の解釈の違いについて書き始めるところだろうけど、今回は、{止|や}めときます。
 ワタテツ先輩の格物は、行動の正しさを求めること。
 ぼくの格物は、思考の正しさを求めること。
 共通点は、{崩|くず}れたくない、{壊|こわ}れたくない、正しくありたいという、願望。
 で、偉人たちの語録を、いろいろ読んでみた。
 なんと偉人たちは、ぼくやワタテツ先輩と、真逆!
 {狂|くる}え! 破れ! 開き直れ! 浮き上がれ!
 ……だった。
  
   《 一に、狂え! 》

 ルキウス・アンナエウス・セネカ。 
 ローマ帝国の哲学者、政治家、詩人。
 その語録。
 「人間にはもともと狂った部分がある。狂っているときが一番健全で正常なのである」
 傑作! 的を、{射|い}抜いてる……と、思う。
 その真逆、一番不健全で異常なところは、分化と退化が止まらなくなったぼくらヒト種を見れば、直ぐに判る。
 {冷|さ}めてる。
 熱くなれないんだから、狂えるはずがない。
 狂っているときがないということは、常に不健全、常に異常ということだ。

 坂本龍馬。
 「自我狂」という言葉がお気に入りで、よく筆書きしていたという{逸話|いつわ}が、残っている。

 吉田松陰。
 若者たちに向かって、よく{斯|こ}う言ったそうだ。
 「諸君。狂いたまえ」

 {山県有朋|やまがたありとも}。
 長州藩士、のちに政治家。そして、元帥陸軍大将。
 自分のことを、「狂介」と呼ばせた。
 その狂介が、{詠|よ}んだ歌。
 「狂をなし愚をなすも
 我れいずくんぞ{憂|う}れえん
 我れは我が志を行わんのみ」

 考え過ぎるから、その間に、冷めてしまう。
 冷める前に、狂え! ……と、いうことらしい。

   《 二に、破れ! 》

 面白くて、一緒に居ると楽しくて、精力や元気をくれる人。
 {是|これ}、絶滅危惧種。
 名付けて、型破り野郎♪

 {頭山満|とうやまみつる}{翁|おう}。
 明治から昭和の前期にかけて、アジアの独立運動家への支援など、精力的に活動した政治運動家。
 その語録。
 「世界にはいろいろな料理がある。中華料理、西洋料理、日本料理、どれもうまいけれど、この世で最高の味と言えば、それは人間{味|み}という味だ。
 料理の味は腹の中に入ったら忘れてしまうが、人間の味は人々の想い出の中だけでも生き続ける」

 {春日潜庵|かすがせんあん}。
 幕末から明治初期の儒学者、政治家。のち、初代奈良県知事。
 その語録。
 「短所{数|かぞ}うべきあらば第一級の人物」

 型破りな生き方をした人間には、味がある。
 {故|ゆえ}に、冷めて退化した現代人は、無味無色無臭なりや!

   《 三に、開き直れ! 》

 開き直るとは、本当の自分を知って、それを公言するということ。歳数を重ねてしまった自分は、判り{難|にく}い。
 一番判り{易|やす}いのは、産れたときの自分。素っ裸! 何もない。何も、持ってきていない。
 だから死ぬときも、何もない。何も、持って{行|ゆ}けない。

 宮本武蔵。
 その剣術は、すべてを捨て去ることで完成した。
 それを教えたのは、沢庵禅師。
 出会ったときの武蔵は、戦場で子どもを{斬|き}ったことを悔いて、放浪中であった。
 その武蔵に、沢庵は斯う言った。
 「人間、もともと無一物。無一物こそが無尽蔵なのだ」

 素っ裸の人間が無尽蔵に居るような国になれば、正に時間も無尽蔵! 未来{永劫|えいごう}、その国は、{安泰|あんたい}なりや♪

   《 四に、浮き上がれ! 》

 寺学舎でも学んだ安岡教学の安岡先生。
 その語録。
 「徳とは無類の明るさのことである」
 知識や技術が徳ではないことは、寺学舎の座学でさんざん学んだ通り。
 徳がある人は、何故かみんな、元気がいい♪
 その元気の内訳は……。
 明るい。
 人間好き。
 世話好き。
 世のため人のために尽くすことが好き。

 人は、深刻になると、重くなる。
 逆に、真剣になると、軽くなる。
 「あッ、{軽|かる}さかーァ!!」
 「ッ、」を取れば、「明るさかーァ♪」と、相成るーぅ?!
 ……なんて、こりゃまた、失礼をばッ!(アセアセ)

 楽しくないから、明るくなれない。
 そりゃそうだ。
 浮き上がるほどに、軽い人間になれ!
 軽くなって浮き上がれば、土は香りを漂わせ、木も楽しそうな表情を見せてくれる。
 土が香り木も楽しそうなら、自然の一部の人間も楽しい。
 楽しいから、明るい。
 明るい森林、明るい自然、明るい未来♪

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「教学編」朝7時配信……次回へとつづく。
「自伝編」は、教学編の前夜7時に配信です。

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