MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

後裔記と然修録

ミワラ〈美童〉たちの日記と学習帳

一学94 ミワラ<美童>の然修録 R3.6.12(土) 朝7時

#### 一学スピア「正しい道とは? {中庸|ちゅうよう}に学ぶ。{宿慝|しゅくとく}を吐き出せ!」然修録 ####

 道とは、中と庸。じゃあ、正しい道って、どんな道? 呼吸……でも実際やっているのは、吸呼……キュウコーォ?? 吐くに吐き出せずに{懺悔|ざんげ}の念に{苛|さいな}まれてしまう……その宿慝とは、一体全体!
   少年学年 スピア 少循令{猫刄|みょうじん}

 一つ、学ぶ。

      《 {主題と題材とその動機|モチーフ} 》

   【 {主題|テーマ} 】

 正しい〈道〉とは何か。

   【 {題材|サブジェクト} 】

 『中庸』 一に、〈中〉と〈庸〉。
 『中養』 二に、{吐納|とのう}。

   【 その{動機|モーティブ} 】

 ジジサマに贈られた言乃葉より。

 「茶道や柔道も含めて、〈道〉というものは、この間合い……{即|すなわ}ち、〈構え〉をつくるというところから、その道がはじまる……{云々|うんぬん}」

 心構え、身構え……それが肝要と言いたいんだろうけど、その歩き出さなきゃならない〈道〉っていう道は、どんな道なのかッ!
 それが{解|わか}んなきゃ、構えようがない。この〈道〉について調べはじめてみると、大陸では盛んに論説されているけれど、我が{日|ひ}の{本|もと}列島に{於|お}いては、{然程|さほど}でもない。
 なので自然、大陸の書に目が向く……ですです。

 そんな{訳|わけ}で選んだ『中庸』とは、何ぞや!
 (……についてから、書くべきだ)と、思われて当然の場面だけど、でも、みんなもう、絶対に忘れてるだろうけど、なんとなんと、この「中庸とは、何ぞや!」について、*あの*サギッチが、然修録に{説|と}いていたのだ。
 ちょうど、オオカミ先輩が、疎開で一人降り立ったザペングール島から漁船に乗って、ぼくら三人が疎開したヒノーモロー島に、やって来たころの事だったと思う。
 なのでぼくは、その『中庸』の〈序〉の部分を、学習してみることにした。

 以上♪ ……みたいな(アセアセ)。

      《 題材の{講釈|レクチャー} 》

   【 『中庸』 一に、〈中〉と〈庸〉 】

 その序、「子{呈|てい}子{曰|いわ}く、……」と、はじまる。ここにある〈子〉は、二つとも、尊敬を意味する。日本語で例えるなら、「{御|おん}マザメ様が{仰|おっしゃ}るに、……」みたいな感じかなッ?
 ゴメンなさい。
 {早速|さっそく}、間違えました。これは、怖ろしいコトへの*警鐘*……元い。怖ろしいヒトへの*敬称*でした(ビクビク!)。

 さて。
 〈中〉は、天下の正しい道。
 〈庸〉は、天下の定まった法則・理法。

 この〈正しい道と、その法則・理法〉は、元々、孔子がその門下に代々伝え授けたもの。
 そこで、その孔子のお孫さん!
 代々を重ねるうちに、その真意を{違|たが}えてしまうことを恐れ、これを書にして、{孟子|もうし}に授けたんだか預けたんだかしたそうだ。
 その内容は、日本語に訳せば直ぐに解るというものではない。古事記も、回り{諄|くど}いって意味で取っ付き{難|にく}いけど、この『中庸』は、理屈っぽいという意味で、同じく取っ付き難い。

 要は(、但し、たぶん)……。
 道とは、不滅の無意識。
 法則・理法とは、限りなく発展する自覚……{即|すなわ}ち、知覚(見て聴いて判断)して、{思惟|しい}(思ったり考えたり)するということ。
 結局(、但し、たぶん)……。
 自分の意識とか経験というのは、不滅であって、それが、道となる。
 それが、正しいかどうかは、生まれ持って自覚していて、その自覚の内容が、無意識の中に、{退蔵|たいぞう}されている。
 その自覚している内容というのが、{所謂|いわゆる}〈天命〉のこと。

 ……とは言うものの、この無意識の中には、{猥雑|わいざつ}なものも含めて、多種多様な〈内的経験〉というものが、退蔵即ち、仕舞い込まれていたり、隠し持たれていたりする。
 ところが、コイツらーァ!!
 **無**意識と言いながら、眠りによって、一切の外界を、自ら遮断してしまう。そして、退蔵されている〈内的体験〉の散見を、はじめる。
 これが、夢♪……なのだ。
 そして、その夢は、眠りから覚めるに{順|したが}って、その遮断が解かれてゆく。散見されていた内的体験(先祖や自分が経験した、その一つひとつの自覚)も、再び、〈退蔵〉に戻される。
 すると、目覚めまでに*蔵戻し*が間に合わなかった内的体験が、意識に取り残されてしまう。
 それが、目覚めたときに覚えている物語……夢の自覚だ。

 この、睡眠による遮断を境界にして、自覚しているほうを、顕在意識。退蔵したり、その退蔵されている内的体験を散見しているほうを、潜在意識……と、言うらしい。
 こういう言い方をすると、何やら〈潜在的無意識〉という言葉が頭に浮かび、心理学や生理学の世界へと、脱線してしまいそうになる。……が、そこは言わずもがなッ!
 ググッと、踏み{止|とど}まらなければならない……が、やはり出来なかったので、余談を一つ(ポリポリ)。

 完全に無意識な状態……即ち、ぐっすりと眠れている時間は、どんなに長くても、70分が限度なんだそうだ。
 なので、オオカミ先輩の後裔記にも書いてたけど、ジジサマの食後の一時間の仮眠の習慣は、実に、理に適っている。{寧|むし}ろ、仮眠なんかじゃなくって、〈ど(っぷり)眠〉なのだッ!
 
 人生は、夢の{如|ごと}し……。
 正しき道は、夢が如く……。

 『荘子』では、そのことが、巧みに説かれているそうだ。
 語録本って、なんでこんなに、何種類も何種類も、いっぱいあるんだかァ!

   【 『中養』 二に、吐納 】

 息を、する……。
 西洋では、この〈息をすること〉さえも、学問になっているらしい。息をしなくなったら、死んでしまう。即ち、息をするということは、〈生きる〉ということだ。
 ところが、この〈息をすること〉を自覚することは、{殆|ほとん}どない。つまり、ぼくら人間は、生きていることを自覚することは、殆どないということだ。

 てな{訳|わけ}で、その〈自覚〉を、試みてみたいと思う。
 息をすることを、〈呼吸〉ともいう。
 吐くことが目的であって、そのために、吸う。
 だから、先ずは呼気……息を、吐くこと。
 吐いたから、吸う。
 {故|ゆえ}に、呼吸。

 ところが、実際にやっているのは、**吸呼**だ。
 吸ってーぇ♪ 吐いてーぇ♪ ……で、ある。
 一回の呼吸で出し入れされる空気は、肺の容量の六分の一しかないそうだ。……と、いうことはだ。肺の中で、空気が入れ替わっているのは、肺の中のごく一部分に過ぎないということだ。
 即ち、肺の大部分は、古い汚れた空気が、溜まったままになっているということだ。だとすると、定期的に深呼吸をしないと、肺は、ゴミ屋敷になっちゃう!

 {順|したが}って、正しい息の仕方は……。
 六回吸ってーぇ!? 六回吐いてーぇ!?
 ……ではない。
 〈汚れた空気を、吐き出す〉
 それが、目的なんだから……。
 六回吐いてーぇ!! 六回吸ってーぇ!!
 と、相成る{由|よし}。
 それでこそ、〈呼吸〉というもの……。
 これを言い換えた言葉が、〈吐納〉なのだ。

 {以上!}……と、言いたいところなんだけれども、ここで説明を終えてしまうと、主題に、〈健康〉を付け加えねばならない事態と相成ってしまう。それでは、{塩梅|あんばい}が悪い。では、〈中〉……天下の正しい道を歩むために、{何故|なぜ}この〈吐納〉が必要なのかッ!

 それ即ち……汚れたものを、吐き出す。
 肺の中で汚れているものは、沈殿した空気(沈気)。
 {身体|からだ}の中で汚れているものは、宿便。
 心の中で汚れているものは、{宿慝|しゅくとく}。
 {故|ゆえ}に、吐き出すものは、三つ。
 沈気、宿便、宿慝……(ハーァ!! ハーァ!!)。

 宿慝の意味だけど……。
 循令の49年間を終え、ぼくらが住まっていた、寺学舎のある浦町に戻って来た{武童|タケラ}……イエロダさんが、言っていた。
 「僕は、知らず{識|し}らずのうちに犯してしまった罪……心の{穢|けが}れというものを、持って帰ってきてしまった」と。
 これがまさに、宿慝! 

      《 {蛇足|スーパーフルーイティ} 》

 本当は、道のことより、その〈構え〉のほうに、興味がある。その構え方によって、正し方が変わってくるからだ。この正し方についても、大陸と我ら海洋の中の一国一文明とでは、{趣|おもむき}を{異|い}とする。
 これを然修録の主題にしようものなら、ぼく的には、長い長い{道程|みちのり}となってしまう。長文は、{禍|わざわい}を招く。。
 故に、長引くほどの知識収集に{処|しょ}しては忍耐力に{缺|か}くるであろうサギッチに、天然の要約を期待して、その主題……〈正し方の比較文化論〉を、託す。
 という訳で、{今宵|こよい}ぼくが吐き出すのは、宿便でもなく宿慝でもなく、なんと*宿題*! なのでありました。
 よろぴくーぅ♪ ……(ポリポリ)。

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Ver.,1 Rev.,7
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