MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

東亜学纂学級文庫

『息恒循』を学ぶ

一学102 ミワラ<美童>の然修録 R3.8.1(日) 朝7時配信

#### 一学スピアミ「悪夢に悪い記憶! 要領が良ければ解放される?」{然修録|102} ####

 『悪夢から解放されない……悪い記憶ばかりが甦ってくる。そのメカニズムと対処法』 《思い出される記憶と、出てこない記憶……その違いは、どこにある?》《手順書を作って、実行……要領がいい人は、それを、必ず成功させる》
   少年学年 スピア 少循令{猫刄|みょうじん}

 一つ、学ぶ。

      **{主題と題材と動機|モチーフ}**

   《 {主題|テーマ} 》

 悪夢から解放されない……悪い記憶ばかりが甦ってくる。そのメカニズムと対処法。   
 
   《 その{題材|サブジェクト} 》

 思い出される記憶と、出てこない記憶……その違いは、どこにある?
 手順書を作って、実行……要領がいい人は、それを、必ず成功させる。

   《 この主題と題材を選んだ{動機|モーティブ} 》

 サギッチの後裔記……。
 オオカミ先輩が、戻って来ない。
 妄想から、戻って来ない……と、いう意味。
 この世の悪いことばかりを、思い出してるんだと思う。
 例えば……特に、航海の後悔!
 同時に、きっと、あの世の魅力的な世界の映像が、映し出されているに違いない。
 優しい綺麗なおねえさん、アマテラス。
 悩ましい色気を漂わせる、アメノウズメ。
 まァ、そんなところだろう。
 なんで、もっとマシな、もっと夢とか希望とか目標みたいな、前向きな精神状態だったころの自分を、思い出せない?
 オオカミ先輩が興味を持っていた、〈オッサン{追|お}ん出しゲーム〉……何事も、要領よくやる訓練……は、どうなったァ?
 手順書を作って、万が一の、予期せぬ事態が起きたときの対処方法……{所謂|いわゆる}〈逃げ道〉も計画に盛り込んで、イザ! ……実行したんだよねぇ?
 で、実行し終わったんだから、要領よくやることの、締め括り……なんじゃないのォ? みんな、四人全員生きて、ムロー先輩たちが降り立った島に上陸できたっていうのに、それって、失敗なのォ?
 成功と、ちゃうんかい!
 だとしたら、今、オオカミ先輩は、どうするべきぃ?
 言わずもがな……みたいな(ポリポリ)。

      **題材の{講釈|レクチャー}**

   《 思い出される記憶と、出てこない記憶……その違いは、どこにある? 》

 「おまえん{家|ち}に咲いてた濃い桃色の花、綺麗だったな。ありゃ、なんて花だァ?」
 「{嗚|あ}ー{呼|あ}、日日草かなァ。たぶん♪」
 ……と、まァ。こんな会話って、あるよねぇ?
 これ、前にワタテツ先輩が、然修録に書いていた……〈脳の言語系〉って、やつだよねぇ? 言葉を介して、記憶の中に保管されているイメージにを呼び起こす。何故、そんなことが出来るのか。
 それは、事前に、記憶の中のイメージを整理して、様々な言葉と関連付けをし終えているからだ。だから、外からの言葉を介して、記憶の中のイメージを結び付けることができる。
 これが、思い出される記憶……{即|すなわ}ち、*思い出すことが可能*な記憶……と、いうわけだ。

 次。
 「でも、バジルは、悲惨だよな。テントウムシに喰われて、人間様が食うところなんて、{殆|ほとん}ど無いじゃないかァ! でも、ルッコラは、いいじゃん、いいじゃん♪ ぜんぜん、食われてないしぃ。
 コリアンダーでもいいけど、あれは、ちょっとね。味に、癖があるからな。やっぱ、ルッコラが、正解だねぇ♪」
 「てか……ルッコラーァ??」
 ……と、まァ。こんな会話になることだって、ある。
 自分の家の庭に{生|は}えているのに、そのイメージが、〈ルッコラ〉という言葉で、{繋|つな}がってくれないのだ。
 でもそこで、なんとか記憶の中の庭のイメージと結びつけようと、〈ルッコラ〉について、*うっかり*、あれやこれやと質問を浴びせてしまうと、(こいつ、面倒臭いやつだなァ!)なんて印象を、与えかねない。
 質問で使った言葉が、相手の頭の中に空間配置されているイメージと照合されて、(あったーァ!!)とか、(無いなーァ??)くらいで済んでいるうちは、まだいい。
 でもそれが、どうにも{上手|うま}く照合できずに、記憶を{遡|さかのぼ}ったりして、時間配置されている記憶を、掘り返す事態となってしまう。
 すると、そこに、不満や摩擦が生じる。俗にいう……「{兎角|とかく}大人の会話は、**カド**が立つ」……なんてことにも、なりかねない。

 どんな言葉や話を聞かされても、自分の記憶の中の悪いイメージにしか結びつかないというのは、そもそもその言葉を、最初から、悪いイメージにしか結びつけていないということだ。
 なので、オオカミ先輩が、質の悪い妄想から抜け出せないのは、普段からやっておくべき頭の中の整理整頓と関連付けを、怠っていたってことだ。
 何を言われても、直ぐにカリカリ、プリプリと怒りだす人が{居|い}る。それも、相手が悪いんじゃなくって、自分の頭が悪いからだ。
 頭を要領よく使うためには、普段から記憶の中のイメージを整理整頓して、一つの言葉から、様々な角度で、良くも悪くも、いろんな記憶の中のイメージに結び付けておかなくてはならない。
 そこまでできて、やっとその次が、発想……創造力の出番!と、相成るのだ。

 こんな話がある。
 卵がある。
 頭の中に記憶されたイメージの整理整頓と、一つの言葉との多用な関連付けが、不充分な人の場合……。
 卵顔という言葉があるように、卵は卵であって、*あの*形以外には、有り得ないのである。
 では、頭の中を、苦労して整理整頓片付け清掃をやり{遂|と}げたその末、{遂|つい}に〈発想〉……即ち〈創造力〉の域に達した人の場合……。
 コロンブスの逸話が、いい例だ。
 アメリカ大陸を発見して帰国、歓迎のレセプションの席上、{嫉妬|しっと}や*やっかみ*が、渦巻いていた。
 「猫でも船に乗せられて西へ西へと行きゃあ、アメリカ大陸にぶつかってたってもんさ。{奴|やつ}が優秀だったわけでも、運が良かったわけでもない。誰がやったって、*そうなってた*ってだけの話さッ!」……みたいな陰口が、飛び交っている。
 そんなヒソヒソ話を小耳に挟んだ、*やんちゃ*なコロンブス!
 {斯|こ}う言い放った。

 「さても皆さん♪
 ここに、卵があります。
 これを、テーブルの上に立たせることが、できるでしょうか」
 ……と。
 「出来るもんかァ!」
 「それこそ、運だめしだなッ♪」
 ……等など。会場は、騒然。
 無論、どうやったって、運がどれほど良くったって、平面に卵を立たせるなんて芸当は、土台無理な話なのだ
 ところが……コロンブス!
 卵の底を、テーブルの角に、コツン♪ コツン♪ とぶつけて、少しだけ壊したかと思うと、矢庭に、難なくテーブルの上に立たせて見せた。そして、言った。
 「さて、皆さん。
 誰かがやった後では、それが、どんなに奇想天外なことであっても、(なんだ。なんてことないじゃん!)と、誰にだってできそうなことに、思えてしまうものなのだ。
 でも、最初に、誰よりも先に、そこ……コツン♪ コツン♪ に気づいて、それを自ら、誰よりも先に行動に移すということは、案外難儀で、めっちゃたいへんものなのです」……と。

 卵の底を{平|たいら}にすれば、テーブルの上に立つ……なんてイメージは、誰にだって頭の中にあるはずだ。だのに、みんな、コロンブスに言われて初めて、そのことに気づいた。
 どの言葉とも繋がっていない〈卵が立つ〉という記憶の中のイメージが、コロンブスの言葉で、初めて{繋|つな}がったのだ。

 顕在意識……言葉と繋がっていて、いつでも思い出せる。
 潜在意識……言葉と繋がりが無く、どうしても思い出せない。
 命……遺伝子に組み込まれている、ご先祖様の記憶。

 では、言われて初めて繋がる、自力では思い出せないイメージはァ?
 そういう記憶のことを、〈前意識〉というそうだ。
 まァ、〈言葉で意識する、ちょっと前〉……みたいな意味なんだろう。
 と、なると……。
 どうしても思い出せない潜在意識って、{何故|なぜ}ぇ? どうしてぇ? ……そう。三歳くらいまでの幼児期の記憶って、なかなか思い出せないものだ。いっぱい聞かされて、いっぱい経験したことは、間違いのない事実のはずなのに。
 その証拠に、それらのイメージは、すべて、潜在意識のなかに記憶されているのだ。

   《 手順書を作って、実行……
     要領がいい人は、それを、必ず成功させる 》

 やると決めたからには、成功させなくてはならない。
 そう決めて、やり{始|はじ}めたら、{是|ぜ}が非でも、成功させなければならない。
 頭でだけ考える習慣を拭いきれない敗者たちは、必ず{斯|こ}う言う。
 「失敗は、成功のもと♪」……有り得ん!
 失敗は、失敗だ。
 仮に、本当に、失敗は成功のもとだとしても、失敗してからそのことに気づいても、{最早|もはや}{既|すで}に、手遅れというものなのだ。
 離島疎開して以来、〈要領〉という言葉を、何度読まされたことか。それは、カラダが覚えて、カラダが記憶して、初めて行動へと繋げることができる。即ち、要領……その、実態は?
 それは、〈五感が感じる刺激〉! なのだ。

 そのことに気づかせてくれたのは、オオカミ先輩が然修録で委細を披露してくれた、あの、〈オッサン追ん出しゲーム〉の{美童|ミワラ}たち……{俄|にわ}か地底住みの、ぼくたちと同じ地上住み系統の自然{民族|エスノ}……そう、あの生意気な、五人組だッ!
 あいつらは、要領が良くなるための極意を、何故か、承知していた。何度でも、何回でも、{兎|と}に{角|かく}*やってみる*。それが、結局は、一番の早道なのだ。
 いくら小難しい理屈を言ったり、言葉巧みな能書きを垂れたところで、そんな{輩|やから}たちは、要領の〈よ〉の字も、{掴|つか}んでなんかいない。
 繰り返し、繰り返し、ただひたすら*やってみる*ということは、〈そのたびごとに、どんなふうにコマを動かすと、こうなって、こんな不都合があって、こんな良いこともある〉っていう{事細|ことこま}かなデータを、すべて*指が記憶する*ということなのだ。

 そこで、一つ気づく。
 記憶という所作は、実は、頭なんか、ひとつも使ってなんかいない。五感のみによって、記憶しているのだ。
 その証拠に……。
 たまたま、うまくいったことって、よくあるよねぇ?
 じゃあ、次から、それとまったく同じことが、出来るようになるはずだよねーぇ?? でも、実際は、どうしたことか、何故か、できないんだよねーぇ!! ……みたいな。
 頭で覚えたことを再現できるんだとしたら、根拠や理由なんか解らなくったって、そのときの状況と、何をどうしたかっていう{遣|や}り方や方法さえ頭が覚えておいてくれれば、次も絶対に、成功するはずだよねぇ?
 それが、絶対に、失敗してしまう。
 その訳は、もう、言わずもがなだよねーぇ♪

 やってるうちに、{身体|からだ}が覚えて、{終|しま}いには必ず、成功する。なんか、不思議だと思わない? 頭の野郎は、何をやっても、その{実|じつ}無関心で、その都度、その都度、ご破算にしてしまう。
 でも、身体は、ちょっとづつ、ちょっとづつで、本当に地道なんだけど、やるたびに、そのたびごとに、そのときのデータを、すべて、蓄積してくれている。
 頭は、そんなふうに身体が地道に蓄積してくれている行動のデータを、いろんなことをやって失敗したあとになってから、そのときの都合に合ったデータを探し出して、〈出来ないことの言い訳〉に利用しているだけなのだ。
 人間を含めて、動物たちは、何故、みんながみんな揃って、〈五感で記憶する〉という機能を退化させずに、この数千年、数万年の間、護り続けてきたのだろう。
 それは、五感で感じたことを、そのまま記憶しておくということが、生きていくうえで、最も重要な本能であることを、悟ったからではないだろうか。

 赤ちゃんは、言葉は知らなくても、自分のお母さんの顔は、どんなに{犇|ひし}めき合っている雑踏のなかでも、容易に、見分けてしまう。これは、電脳……コンピューターが、最も苦手としている、{理解|インプット}不能なアルゴリズムでもあるのだ。
 なので、言葉を介さず、命の力だけで、ただ無心に行動して、修羅場を{潜|くぐ}り抜けたのだとしたら、そのときに覚える*喜び*という感情は、鋭く、また恐ろしく{強靭|きょうじん}で、しかも、表には出てこない、正に、{曲者|くせもの}の{糧|かて}として備蓄される最高峰の*情緒*であると、言い切れるのではないだろうか。

 ぼくたちの命は、言葉を、持たない。
 だから、五感で感じた成功の喜びを、そのまま、命の記憶領域に、ただ、{刻|きざ}み込むだけなのだ。
 でも、実は、その命の記憶領域に保管されているイメージこそが、直観の根拠を{司|つかさど}り、生きるという命の{生業|なりわい}のなかで、最も重要な役目を秘めた三次元配置の記憶データなんじゃないのかなって思う。
 その三次元のイメージ記憶を何かの言葉に結びつけて呼び起こすことが、〈*コツ*が解る〉ということ……{所謂|いわゆる}、要領を掴むということ……{即|すなわ}ちそれが、**直観力**というものなのではないだろうか。

 ぼくたち子どもにとって、一番大事なことは……習慣。
 習慣……それは、クセ。
 自反するクセ。
 己を正すクセ。
 成功するクセ。
 ……この三つの{癖|くせ}を身に着けなければ、天命の成就は{疎|おろ}か、知命の覚醒すら、{危|あや}ういのだ。
 
      **{蛇足|スーパーフルーイティ}**

 以上のことは、読んだだけで終わってしまえば、まったくの無意味のまま、終わってしまう。
 それも、「クセが着く」ということだ。
 でも、同じ*クセ*でも、それは、〈自反クセ〉でも、己を正す〈格物クセ〉でも、{況|ま}してや〈成功クセ〉でもない。
 それは、〈失敗クセ〉という名の、{疫|えき}病神からの贈り物なのだッ! 
 
_/_/_/ 要領よく、このメルマガを読んでいただくために……。
Ver.1,Rev.9
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