MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

後裔記と然修録

ミワラ〈美童〉たちの日記と学習帳

然修録104(ミワラ<美童>学級の座学日誌)R3.8.15(日) 朝7時配信

#### ツボネエの座学日誌「直感力と洞察力で地球物理学に挑む」{然修録|104} ####


 『直感力と洞察力は、地球物理学を超えて地球を救えるか』 《直感力で地殻変動を知る自然{民族|エスノ})》《洞察力で自然を大法則で{捉|とら}える和のエスノ》
   少女学年 ツボネエ 少循令{飛龍|ひりゅう}

 {会得|えとく}、その努力に{憾|うら}みなかりしか。

      **{主題と題材と動機|モチーフ}**

   《 {主題|テーマ} 》

 直感力と洞察力は、地球物理学を超えて地球を救えるか。

   《 その{題材|サブジェクト} 》

 直感力で地殻変動を知る自然エスノ。
 洞察力で自然を大法則で捉える和のエスノ。
 
   《 この主題と題材を選んだ{動機|モーティブ} 》

 アタイの後裔記……あの、長屋住みの無礼者! クソガキどもの一人が言ったコトバ。

 「風穴を空けっちまった地底奥深い重力逆転層が、もし万が一溶岩層だったら、サラサラマグマと無数のゴミが{相見|あいまみ}え、{塵旋風|じんせんぷう}が{如|ごと}く大気圏外に噴き出しっちまう。
 宇宙{星艦|せいかん}〈アース〉の出航だッ!」

 オオカミ先輩たちを乗せたズングリ丸の出航は、誰も{止|とど}めることができなかった。それでも四人は、生き残った。でも。アース号は、それとは事情が違う。確実に、すべての生命が死ぬ。
 武の心の総力を結集して、なんとしても、アース号の出航を止めなければならない。

      **題材の{講釈|レクチャー}**

   《 直感力で地殻変動を知る自然エスノ 》

 地震とは、{地殻|ちかく}プレートが{擦|こす}れ合うこと。
 では、それによって蓄積されたストレスが、どの段階になれば、最後{通牒|つうちょう}を渡されたかのように{暴|あば}れ出すのか。
 それは、意外にも地底の話ではなく、大気中のエネルギーの合流が、大きく関わっている。

 一つ、地球の内部から発せられる低周波の電磁波。
 二つ、電離層によって和らげられた宇宙からの高周波の電磁波。

 二つ目の電離層というのは、{所謂|いわゆる}電子世界の防御層で、地上八〇~五〇〇メートルの高さで地球を覆っているらしい。問題は、その電離層によって和らげられた電磁波が、地殻から突発的に地殻ガスを噴出させてしまうということだ。
 この二つのエネルギーが、好き勝手にエネルギーを放ち、異常乾燥、低気圧、成層圏からの下降気流などを引き起こす。そして、その二つのエネルギーのピークが同時に訪れたとき、成層圏と地殻ガスとの間で、電気的な化学反応が起こる。
 大気中で起こったこの化学反応は、次に、地中へと向かう。地殻には、ガスが噴出することからも判るように、外部からのエネルギーの通り道が、無数にある。
 このとき、地殻プレートが擦れ合うことによって蓄積されたストレスが、もし、充分な段階に達していたならば、総じて圧力波と化し、地震を引き起こしてしまうという{訳|わけ}だ。

 (なんか、相当{割愛|かつあい}してるけど、でも、精一杯のアタイ!)と、自己弁護しながら書いている、アタイ……(アセアセ)。

 では、その事例を、挙げてみよう♪
 一つ、動物たちは、この地震の前兆を感知する素晴らしい本能を持っている。事実、地震の数週間前に、異常行動を起こす場合が多い。
 二つ、地震の数時間前には、物質の組成とか大気中の電子の活動とかの変化が、観測される。
 三つ、その小難しい変化は、地震の数日から数週間前に、震源周辺地域の天候にも具現する。
 四つ、まァ、判り{易|やす}く、地表からガスが噴き出すこともある。

 動物たちが悠久養ってきた直感……異常行動は、皮肉にも文明の力によって、その一つひとつが解明されつつある。
 その事例も、挙げてみよう♪
 一つ、メタン、硫黄……みたいな活性ガスは、大地震の前には、地上に噴き出すことが多い。
 二つ、地震の前には、火の玉のような、大気中の電子の異常な変化が見られる。
 三つ、地震の前に起こる異変の数々。様々な計器の計測結果……そして、様々な動物たちの異常行動。

 結論。アタイらは、文明{民族|エスノ}の科学を学んで、計測計器からの{報|しら}せを得ることができる。でも、文明の{奴|やつ}らは、動物たちのような異常行動……{即|すなわ}ち、直感によって対処することは、できない。
 その訳は、言わずもがな。自然から、離れすぎてしまったからだ。でも、アタイら自然エスノには、それができる。但しそのためには、頭脳と心を鍛えて、動物たちに負けない直感力を、修得しなければならない。

   《 洞察力で自然を大法則で捉える和のエスノ 》

 洞察というのは、アタイら自然人が得意とする直感力とは、対極にあるといっていいほど、大きく違う。すべて過去から現在に到る〈真実のデータ〉を基にして、未来を予測判断するからだ。
 アタイらが生きている世界は、常に変わり続けている。データを基にしていると言いながら、次に何が起こるかなんて、誰にも判らない。でも、目で見て手で触れれば、誰だって、同じ体験をすることができる。ただその体験に、なんの法則性も無いと言うだけだ。
 でもね。
 何が起こるか判らないからこそ、その予測不能な事態に備えなければならない。ダムに水を{溜|た}めることもそうだし、会社の利益を貯めておくのもそうだし、{蜂|ハチ}さんや{蟻|アリ}さんだって、冬に備えて、せっせと食料を蓄える。
 これって、明らかに直感力なんかじゃなくって、自然の{智慧|ちえ}だよねぇ? これって、法則なんてみみっちいもんじゃなくって、これこそが、〈天下の大法則〉ってぇもんじゃないのーォ??
 この世に法則って呼ばれるものは多々あるけれど、どれもこれも、抜けや漏れが無いように、言葉を駆使して{体裁|ていさい}を整えてるだけなんじゃないかと思う。

 「天下」と言えば、そのまんまだけど、天下の松下幸之助翁! 偉大な先人ではあるけれど、ここでは{敢|あ}えて{翁|おきな}と呼ばせていただく。その数ある逸話の一つ。
 インフレで、「借りなきゃ損損!」の時代に、節約してせっせと利益を貯め込んだんだよねぇ? それって、直感なんかじゃないよねぇ? 強いて言えば、*直観*。これが、天下の大法則……それ即ち、*洞察力*ってぇもんじゃないのーォ?!
 なぜってさァ……。
 天下の松下幸之助翁は、どうして、世間に蔓延していた「金を使え使え! 金を借りろ借りろ!」の風潮に、惑わされなかったのか。それは、自分の実体験のなかに、「使え借りろ!」が正しいと思えるような根拠が、一切何も無かったからだ……と、思う
 (なぜだろう、どうしてだろう)って思って、自分の体験を参考にして考えた結果、(世の中の流れが、天下の大法則から外れてる……)ってことが判って、そう確信したのならば、次は、(どうしよーォ!!)って思うのが、正常ってもんじゃないのかしらん?

 (難しい言葉を省いて、観念的なことばかり書いてる!)って思われるかもしれない……っていうか、間違いなくそう思われてるとは思うんだけど。
 でもね。それで、いいと思う♪
 なぜってぇ? そりゃ、アンターァ!!
 この世の中、日頃、ろくすっぽ何一つ考えもしないで、ただベラベラと欲望に任せて{喋|しゃべ}り続けている*お喋りロボット*みたいな人間が、実際問題、多すぎる!
 そんな奴らの、頭を介さない、口だけが好き勝手に動いているだけの意見を聞くほど、アタイは、暇じゃないってことを言いたいのさ。

 和の{民族|エスノ}の人たちも、森の動物たちも、今まで生き{存|ながら}えたのは、運がいいからだ。もし、文明の奴らやアタイら自然の人間たちみたく運が悪かったら、もうとっくに、彼らは絶滅してることだろう。
 じゃあ!
 なんで、和の人たちや動物たちだけが、運がいいのか……。
 「禍福は{糾|あざな}える{縄|なわ}の{如|ごと}し」って言葉が、あるんだそうだ!
 いいことも悪いこともある。いいと思って安堵したのに、後からそれが、悪いことの原因になっちまうってこともある。そんなこと、どれもこれも、どうしようもないよねぇ?
 でも、運がいい奴らって、{何故|なぜ}かいつも、良い結果が出てしまう。その答えは……簡単だッ♪
 奴らは、真実のデータしか、理解できない。
 言葉は、巧みに飾り立てて、根拠のない{夥|おびただ}しい数の法則を作り出して、人間たちを、惑わす。
 でも、動物たちは、その言葉を理解できないから、〈真実のデータ〉に、頼るしかないのだ。

 即ち……森の動物たちも、和の{民族|エスノ}の人たちも、天下の大法則、真実のデータだけを頼りに生きているから、いつだって、運がいい。ただ、それだけのことなのだ。 
 
      **{蛇足|スーパーフルーイティ}**

 この然修録は、言葉で書かれています。
 なので、真実のデータ……天下の大法則とは、大きく外れているかもしれません。ただ飾られただけの、{美童|ミワラ}たちの{戯言|たわごと}かもしれないってこと。
 でも同時に、信じて自ら行動すれば、運がよくなるような……そう、天下の大法則、〈真実のデータ〉なのかもしれない。
 本当は、そのどちらなのか……その答えを知りたければ、自分で見て、手で触って、実際に行動してみないことには、判りっこない。
 だから、この然修録に記されている座学を、本当に会得しようと思ったら、みんなが後裔記に記しているように、実際に自らの行動によって、座学で学んだことを、体得しなければならないんだと思う。

 最後に、観音さまの言葉……。
 「{照見|しょうけん}{五蘊皆空|ごうんかいくう}」
 誰かが、書いてたよねぇ?
 洞察のことを、別の言葉で表すと、照見だって……。
 {何|いず}れにしても、言葉で表される世界は、すべてが無!
 惑わされてはいけないってこと……。

_/_/_/ 要領よく、このメルマガを読んでいただくために……。
Ver.1,Rev.9
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