MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

東亜学纂学級文庫

『息恒循』を学ぶ

後裔記108(ミワラ<美童>学級の実学紀行)R3.8.21(土) 夜7時配信

#### ムローの実学紀行「寂しい森、ひもじい{美童|ミワラ}、真理を明かすクソガキ!」{後裔記|108} ####


 《回想、妄想、{僻|ひが}み》《森の中でランチ、手弁当無き{虚|むな}しさ》《五理目……それは、クソガキどもの真理だった》
   学人学年 ムロー 齢17

 体得、その努力に{憾|うら}みなかりしか。

   《 回想、妄想、僻み 》

 この島の{子等|こら}は、まるで、座敷わらしだ。
 心が清らかな人間には、その正体を見せるが、汚れっちまった人間には、本音を見せない……。
 ジジッチョ……元い。技師長の言い付けなんだか、実のところはどうなんだか知らないが、俺には何も語ってくれない、長屋の子どもたち!
 その子等が、ツボネエには、偉そうなのは{兎|と}も{角|かく}としても、ベラベラとなんでも、{喋|しゃべ}ってくれる。
 (俺はもう、{穢|けが}れっちまったのかァ! 知命も、まだだってのにぃ……)と、何気に独り、思う俺。
 まァ、{閑話休題|それはともかく}。

   《 森の中でランチ、手弁当無き虚しさ 》

 「山菜って、生で食べれないもんばっかなんだねーぇ!!」と、スピア。
 「{山女魚|やまめ}、食うしかないだろッ!」と、俺。
 「生でぇ?」と、スピア。
 「いやいや。そこは、火を起こそうよッ!」と、マザメ。
 「得意分野だもんなッ! よろしくーぅ♪」と、オオカミ。
 「はァん? てめぇの火は、てめーぇで起こしなッ!」と、マザメ。
 「ご機嫌、{傾|かし}いでるーぅ??」と、マザメに{訊|たず}ねる、スピア。
 スピアが訊ねたときには、確かに傾いでいる程度だったようだが、訊かれて腹が立って、ジャジャジャジャーン!! ……みたいな(アセアセ)。
 で、そのマザメが、語りだした。

 「あのクソジジッチョの話聴いて、機嫌が真っ直ぐ立ってる{奴|やつ}の事をなんていうか、教えてやろッかーァ?!
 {独活|ウド}の大木さ。
 ウドってのは、山菜のことさ。茎を食べるんだけどさァ。{放|ほ}ったくっといたら、樹木みたいにでっかくなって、そうなったら、食べられないどころか、中がスカスカで、建材は{疎|おろ}か、薪にもなりゃしない。
 だから、中が空洞のことを、「ウド」って言うだろッ? そんなことも、知らないのかい! だからおまえらは、小さいのにウドの大木って言われてんのさァ。
 誰からァ? ……って、あたいら女の子たちに決まってんじゃん♪

 てか、あんたが変な{訊|き}き方すっから、話、脱線しちゃったじゃないのさァ! ジジッチョの話に戻すけどさァ。
 『この星の消滅は、次の天地創造よりも、早いのかもしれん……となァ』って、じゃないっしょ!
 あたいら、曲がりなりにも、次の天地創造で生き残るために、今、命を存立させている身なんじゃなかったッけぇ? 「……となーァ♪」で済まされるんなら、知命も立命も運命も、なんもかんも、意味ないじゃん!」

 こうなったら、もう、手がつけられない。
 長い……長い{間|ま}。
 この魔の間のなかで口火を切るのは……はてさて、誰であろうかァ!
 腹がへった{鯱|シャチ}?
 ……はてさてその実態は、腹をすかして岩陰に隠れてビクビクしている{鯊|ハゼ}の少年……その、オオカミ君が、言った。

 「思慮を{少|すくの}うして{以|もっ}て心気を養う。{何故|なぜ}かムロー先輩も含めて、おれたちはまだ、知命前だ。その知命のために、今、おれたちに必要なのは、間だ。天地創造の*時*でも、アース号出航の*時*でもない。事なき**間**だ。
 無事{澄然|ちょうぜん}。事なきときは、水のように{澄|す}んだ気で{居|お}る。先人……{即|すなわ}ち和のエスノ、{所謂|いわゆる}旧態人間たちは、そう{諭|さと}している。
 おれらミワラの立命期、そして知命、そして、その後の運命期の{理念模範|パラダイム}の多くは、その和のエスノの歴史の中にある。おれらの祖先……廃残した水軍海賊たちは、谷間や地底に隠れ住みながら、その土地に土着してきた民から、生きる目的と、その{術|すべ}を学んだんだ。

 知命していようが、していまいが、したくても出来ないでいようが、そんなことは、どうでもいい。和の人たちは、おれたちの{同胞|はらから}……おれら自然エスノの、命の恩人なのさ。
 だからおれらは、自分ら自然人が生き残ることを考える前に、和の人たちが生き残るためにはどうするか、そっちを考えることのほうが、先だろッ! ……って{訳|わけ}さ。
 で、どうするぅ?」

 「バカかァ! おまえはーァ」と、{間|かん}、{髪|ぱつ}を入れず、マザメ。
 「そこまで偉そうに言っといて、『どうするぅ?』は、無いっしょ!」と、サギッチ。
 「それも、一理あるなッ!」と、オオカミ。苦し{紛|まぎ}れというか、ただ苦しいだけ……みたいな。
 「二理も三理もあったら、気づいてんのかい! そのボンクラ頭でぇ……」と、マザメ。案の定、容赦ない!
 「それも、一理だねぇ♪」と、スピア。何故か、傍観者の顔!
 「和の人たちは、出会いを{少|すくの}うして心気を養ったからこそ、真実のデータを、信じ続けることが出来たのかもしれんなァ♪」と、俺。(敢えてここで、口をだす必要があったのだろうかァ……)と、後悔する。案の定……。
 「それが、青循令の歳になっても知命できない理由ってことォ? それも、一理なーん?? これで、三理めだっけぇ?」と、スピア。今さらだが、一言、多い。しかも、それは{何故|なぜ}かいつも、最悪なタイミングでぇ……。
 「やい、男どもォ! てッてッてッ、てめーらァ……つーか。どいつもこいつも、もういいから、てめーぇの尻でも{掻|か}いて、大人しくしてなァ♪」と、マザメ様が、{仰|おっしゃ}った。
 そして、ここで口を出すのが、スピアの理!
 「**{四理|よんり}**目だから、**{尻|しり}**って言ったんでしょーォ?! さすがァ♪ マザメ先輩!」

 少しの間……それが、あることを、俺に、気づかせてくれた。この森は、静かだ。学友たちの顔を、見渡す。スピアと、目が合う。そして、奴は、{斯|こ}う言った。
 「自反、命!……の鹿の{乙女子|おとめご}ちゃんも、大努力のウリ坊も、便所の{匠|たくみ}のタヌキ君も、この森には、居ないのかなーァ?!」
 「もし、ツボネエちゃんが、ここに居たら、斯う言うだろうねぇ。
 『ほらァ! あそこに、鹿の乙女子ちゃん♪ あっちに、ウリ坊! あそこでタヌキ君が、こっちを見てるじゃん♪』……ってねぇ」と、マザメ。
 「てかさァ。あいつ、仮病を使ってまで、なんでそうまでして、長屋に残りたかったのかなーァ?!」と、サギッチ。
 「強い神気を持った和の{子等|こら}から情報を引き出すには、それしか方法が無かったってことさァ♪」と、マザメ。
 「シンキってぇ?」と、サギッチ。
 「言語を省いて以て神気を養う」と、俺。
 「言語を省かれて、悔しい?」と、スピア。俺の顔を、見詰めている。
 「まァ……まーァ、まァだなァ!」と、独り{言|ご}ちるように、俺。
 「無駄口を叩くのは、男に{非|あら}ずってことさァ。どうしても叩きたいときは、あんたたちだけで集まって、叩かずに並べとくんだねぇ♪ そう、アルファ・アンド・オメガみたくさッ!」と、マザメ。
 「オメガーァ??」と、サギッチ。
 「ワード・チェーンのことだ」と、俺。
 「しりとりだよォ♪ 親切に言うとねぇ!」と、スピア。
 (俺は、不親切ってことかい!)と、思い、{僻|ひが}む俺。
 「じゃあ、ゼロ理だねッ♪」と、サギッチ。
 「はーァ??」と、マザメ。俺も、そう思った。
 「だって、{四理|しり}から*しり*を*取る*んでしょーォ?? だったら、ゼロじゃん♪」と、サギッチ。
 ……総員、暫し無言!

    《 五理目……それは、クソガキどもの真理だった 》

 ザワザワ……ワサワサ……そして、言語が、放たれた!
 「おまえらァ! 山菜、食うのかッ! 食わねぇのかッ! どっちなんだァ! ごちゃごちゃ言ってないで、早く火を起こせよッ!」
 長屋の子等……全員、揃っている!
 俺たちが唖然!としている間に、奴らは、瞬く間に火を起こして、山菜を焼きはじめた。そして、二人だけ火の番に残して、他の多勢は、森の四方八方に、散って行った。
 直に、両手にいっぱい赤い真珠の玉くらいの大きさの木の実を{携|たずさ}えて、戻ってきた。
 {和|あ}えて赤く{彩|いろど}られた{緑緑|りょくりょく}の山菜たち……。
 「コシアブラの若葉、うッめーぇ♪」と、サギッチ。
 「タラの芽ちゃん♪ あたい、恋しちゃいそーォ!!」と、マザメ。
 「フキノトウ……まァ、ぅう……美味しいねーぇ」と、スピア。

 そのときだった。
 大昼食会の宴の背後から、新たな主から、言語が放たれた。
 「お子ちゃまだから、許してあげてよォ♪ アタイが大好きな、アニキなんだからーん♪ みんな、仲良くしてあげてねぇ」
 ……と、言わずもがな、仮病に飽きたツボネエ!
 そのツボネエの満面の笑みを見て取った和の少年……さっきの、「さっさと火を起こせッ!」と、偉そうに言ったクソガキが、矢庭に、嬉々とした顔になって、斯う言った。
 「星艦アースは、六年前に、戦闘準備に入った。俺たちは、六年もの遅れを、とっている。でも、心配するなッ! 自然エスノは、おれたち和のエスノが、護ってやる。
 だから、おまえらは、{山女魚|ヤマメ}と山菜でも食いながら、毎日、昼寝でもしてろッ!
 そのうち、目が覚めたら、次の天地創造なんて、{遥|はる}か遠くのどこかで、終わってるさーァ♪」

 えらく、見くびられたもんだなッ!
 それもこれも、俺がまだ、知命できていないからなのかなーァ……(ガックシ)。
 
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Ver.,1 Rev.,9
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