MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

東亜学纂学級文庫

『息恒循』を学ぶ

然修録106(ミワラ<美童>学級の座学日誌)R3.8.29(日) 朝7時配信

#### ヨッコの座学日誌「自分という{牢獄|ろうごく}に囚われた{虜囚|りょしゅう}の生き方」{然修録|106} ####

 『どうしても思い出せない、どうしても逃げ出せない……{何故|なぜ}か』 《悔しい。どうしても思い出せない記憶の正体》《虜囚は、あたいだけじゃない。人間はみな、自分という牢獄に閉じ込められた囚人なのだ!》
   門人学年 ヨッコ 青循令{飛龍|ひりゅう}

 {会得|えとく}、その努力に{憾|うら}みなかりしか。

      **{主題と題材と動機|モチーフ}**

   《 {主題|テーマ} 》

 どうしても思い出せない、どうしても逃げ出せない……何故か。

   《 その{題材|サブジェクト} 》

 悔しい。どうしても思い出せない記憶の正体。
 虜囚は、あたいだけじゃない。人間はみな、自分という牢獄に閉じ込められた囚人なのだッ!
 
   《 この主題と題材を選んだ{動機|モーティブ} 》

 {仕来|しきた}りの旅から浦町に戻り、久々に寺学舎の講堂に座して**学**に挑んだとき、あたいは、ふと思った。
 (瞑想が、してみたい)……と。
 これは、然修録にも書いたことがあると思う。
 でも……{呆気|あっけ}なく、離島疎開!
 瞑想……それが迷走どころか、逃亡の日々。
 {挙句|あげく}、捕獲される。
 委細は、書けない。
 でも、後輩たちの後裔記や然修録を読んでいるうちに、一つ思った。
 志や願望を{棄|す}ててしまうのであれば、今までの逃亡も、今の虜囚生活も、すべてが無意味となって終わってしまう。
 志も願望も無いんなら、死ねばいい。
 それだけのことだ。
 だから、やっぱり、瞑想を学ぶことにした。
 でも、新たなる先人語録の書を手に入れることは、不可能に近い。なので、{唯識|ゆいしき}と{莫|まく}妄想の修得に留まる。
 それで、いい。
 いつか必ず、復活してやるッ!

      **題材の{講釈|レクチャー}**

   《 悔しい。どうしても思い出せない記憶の正体 》

 寺学舎の座学では、{斯|こ}う教えられた。

 【{塊脳|かいのう}】
  ……脳の{塊|かたまり}……顕在意識……五感。
 【層脳】
  ……塊脳を包む層状の脳……潜在意識……直観。
 【膜脳】
  ……層脳を覆う膜状の脳……超意識……直感。

 ということは、記憶は、層脳の中にあるはず。でも、どうしても思い出せない記憶がある。それは、本当の親の記憶。あたいを産んでくれた母さんと父さんの記憶が、いっぱい詰まっているはずなのだ。
 でも、まったく、思い出せない。その隠れた記憶は、あたいが生まれてから、三歳になるころまで、続いていたらしい。この、三歳までの記憶を思い出せない{訳|わけ}を、ワタテツが、然修録に、小難しく、書いていた。
 まァ、有難う。
 でも、整理して、改めて書き直してみる。

 【命(人間・{鳥獣|トリケモノ}共通)】
 ……〈生きている〉ための機能……食う、消化、排泄等。無意識の記憶……正に、〈本能〉。

 【*三歳までの記憶*(人間・鳥獣共通)】
 ……親を手本にして学んだ社会(人間界や自然界)のルール。〈思い出せない潜在意識の記憶〉。

 【イメージの記憶(人間・鳥獣共通)】
 ……刺激を感じたときのイメージ。{現|うつつ}の環境で、必要なイメージの記憶が、自動的に引き出される。〈思い出せる潜在意識の記憶〉。

 【言葉の記憶(人間のみ)】
 ……記憶されたイメージに、〈コトバ〉のタグを付ける。更に、そのコトバとコトバを、関連付ける。〈思考メカニズムの構築〉。

 【計算する脳(人間のみ)】
 ……外から入って来たコトバと、記憶されているコトバ(イメージのタグ〉を結び付け、必要なイメージを記憶から引き出す。〈脳の言語系のプログラミング〉。

 あたいが知りたかったのは、〈三歳までの記憶〉のところなんだけど……なんかそこだけ、固有名詞が無くて、{阻害|そがい}されてるような感じがする。
 なので、シントピック・リーディング......一つのテーマを、様々な観点から論じている書物の何冊かを読んで、出来るだけ{偏|かたよ}りのない結論を、導き出す。
 そこで見つけた情報が、コレ♪

 人間は、三歳までに、性格が、決まってしまう。
 その*三年間*に、固有名詞を命名した人がいる。
 (あんたは、偉い!)と、思わず思ったあたい♪
 動物行動学者のK・ローレンツという人……無論、知らない(アセアセ)。
 その命名とは、インプリンティング……即ち、刷り込み!
 〈刷り込み記憶〉? なんか、モチャモチャした感じ。
 でも、白い紙に刷り込んだんだから、もう、どんなことをしても、消し去ることは出来ない。それが、三つ子の魂百まで! 満更、悪い命名でもないような気もしてくる。

 西洋医学では……。
 計算する脳を、上言語野。
 コトバの記憶を、左脳。
 イメージの記憶を、右脳。
 命を、脳幹や脊髄系。
 ……と、呼んでいる。

 じゃあ、刷り込み記憶はーァ??  

   《 虜囚は、あたいだけじゃない。人間はみな、自分という牢獄に閉じ込められた囚人なのだッ! 》

 広大無辺な一つの大宇宙の中に、一つの小さな生命体として、今自分は、生きている。
 当たり前?
 では、その大宇宙とやらは、本当に、一つだけぇ? 具体的に、確かめたァ? 人の口から出た言葉や、本に書いてある言葉で、巧みに説明されて、そう信じ込んでいるだけじゃない?
 具体的に確かめた{訳|わけ}じゃないってことは、地球のすべての生きものたちが、その一つの宇宙の中に存在している……そのすべての生きものたちに共通の、たった一つしかない広大な宇宙……っていう空間は、抽象的な存在だってことにならない?
 抽象的な存在があるんなら、これも当たり前だけど、逆に、具体的な存在ってもんが、あるはずだよねぇ?
 {即|すなわ}ち、具体的な宇宙。
 その〈具体的な宇宙〉の中に、具体的に存在し{得|う}る生命体は、自分だけ。なぜって、自分以外を、具体的に現すことが、できるぅ?
 {太々|ふてぶて}しく歩いているウミネコ本人(、てか、本鳥かーァ?! まァまァ……)になって、何を考えながら歩いてんのか、具体的に確認することができるぅ?
 できないよねぇ? つってーぇことは、具体的に確認できるのは、自分だけ!ってことに、なるよねぇ?
 {故|ゆえ}に、この星の地上の生命体……あたいら人間は、一つの具体的な宇宙の中に、たった一人だけで、閉じ込められている。
 だから、その〈一つの具体的な宇宙〉ってのは、自分のみ、たった一人で、背負って生きてゆかなければならない。
 その具体的な一つの宇宙と、その中に閉じ込められている一人の人間との具体的な関係も、たった一つしかない。
 {所謂|いわゆる}、(そのまんまだけど……){一人一宇宙|ひとりひとうちゅう}なのだ。

 毎朝、その一つの宇宙の中で、一人しか{居|い}ない自分が、目を覚ます。他人も、自分一人だけを閉じ込めている、まったく別の一つの宇宙の中で、目を覚ます。
 自分は、具体的に他人を閉じ込めている別の宇宙に入ることはできないし、逆に他人も、具体的に自分を閉じ込めている具体的な自分だけの宇宙に、どんなに忍ぼうとも、決して入って来ることはできない。
 正に、一人一宇宙……これを、「{人人唯識|にんにんゆいしき}」という。
 一応、断わってというか、言っておくけど、「*にんにきにん*ゆいしき」って悪ふざけして覚えてしまうと、ずっと「にんにきにん……」って言い続けることになるので、そこは、気をつけておいたほうがいいと思う。
 {閑話休題|それはともかく}、具体的な例を出そう♪

 人間が三人寄れば、そこには、三つの宇宙が存在する。
 一人が、言う。
 「ねぇねぇ、あの木、見てみてよーォ♪」
 そこで三人は、各々、自分を閉じ込めている宇宙の外に存在している一つの木を、見ている……わけではない。
 そんな、三つの宇宙からまたく同じに見える一本の木が、具体的に存在しているわけではないということだ。互いが言葉によって、「同じだ」ということを、認め合っているだけに過ぎない。
 実際には、一人ひとりの心の中に、木という像の影……{影像|えいぞう}が、あるだけなのだ。「観念」と言ったほうが、判り{易|やす}いだろうか。
 三人が三人、各自、その影像を、宇宙の外に映し出し、言葉によって、「その三つの影像が、まったく共通である」ということを、ただ認め合っているだけなのだ。

 唯識を学んでゆくに当たって、先ずは、この一人一宇宙……*にんにきにん*唯識を理解しておかなければ、この思想を、本当に具体的に、自分の血肉とすることは、どんなに望もうが、{叶|かな}うものではない……と、いうことだ。 

      **{自反|じはん}**

 サギッチが後裔記に書いていたように……おっと、失礼。
 (こんな感じで……)
 「ムロー学師より、指令が出回った。
 後裔記を書き終えたならば、必ず己が実践した{或|ある}いは実践すべき*格物*を、書き残せ……と」
 即ち、「自らの行動から学んで、己を正せ!」と、言いたいんだと思うけれど、その前に、座学で自反……自ら具体的な己に立ち返り、本当の自分……本心を{顧|かえり}みる事のほうが先だって、思わない?
 だから、定型書式化している{蛇足|スーパーフルイティ}を取り{止|や}め、その代わりに、**自反**と題することにした。

 なので、以後よろしく。
 てか、念のために言っておくけど、然修録に書く具体的」な自反は、「次回より」ってことでぇ……!!

 よろしくーぅ♪

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Ver.1,Rev.9
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