MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

東亜学纂学級文庫

『息恒循』を学ぶ

第4集「自伝編」土曜夜7時配信 R3.3.13 一息66

#### 後裔記「後裔記で弱音は吐けないが、本音は吐ける」 少年サギッチ 齢9 ####

 スピアに託した。おれが見た夢の翻訳……元い。{梗概|こうがい}の編集。おれの夢の走り書きは、難解な形象文字が列するのみ!

 一つ、息をつく。

 オオカミ先輩だったっけぇ。後裔記で弱音は吐けないって書いてたのは……。確かに、みんな、そうだと思う。おれも、そうだ。塾生のみんなに、公開されるんだから……そして、ひょっとしたら、ご祖先の皆さまにも!
 しかも、万が一(……って、失礼!)、おれらの時代の後裔記が、亜種記の諸書ともなれば、もっと広く現在過去未来の多くの人びとに読まれてしまう。だから、後裔記で……然修録もそうだけど、ここそこで弱音を吐けば、一族の末代までの恥……元い。過去の大祖先の代から、未来の末代までの恥なのだ。
 本音の百パーセントが弱音かっていうと、そんなこともない。後裔記や然修録に書いていることの百パーセントが強がりの{偽|いつわ}りかというと、そこまでではないと思う。でも、どうにもこうにも、合点がいかない。
 弱音を隠すために、悪意はないにしても、強がりや偽りを含む薄化粧の文章を書いて、そんな自分も、学友たちが書いた薄化粧……{或|ある}いは厚化粧かもしれない文章を読まされ、それを{真|ま}に受ける……或いは、信じた振りをして、蔭では、「よく言うなッ! まったくーぅ♪」と、{唾|つば}を吐き出すように{独|ひと}り{言|ご}ちる。
 でも、そうは言っても、悲しいかな、男という生き物は、実に感化され易い。強がることが、当たり前……{何|いず}れそれは、本音に成長する……てか、{化|ば}ける。
 でも、女性は、どうか。ヨッコ門人にしたって、マザメ様にしたって、ツボネエちゃんにしたって、あの強がり{方|かた}は、{脅威|きょうい}だ……元い。脅威だ!……ありゃりゃ、失礼! {遣|や}り直し。{驚異|きょうい}だ。
 ん? 不承知? そう、その不承知こそが、極めて現実的な不可解なのだ(←そうそう、それそれ! ← これ、男どもから届くであろう、感想♪)。
 なんか、余談で終始しそうなので、ここで、閑話休題。

 おれは、スピアの野郎みたく、一夜にして、夢の大半を顕在意識に{写|うつ}し取るような珍妙な芸当は、でぎねーぇ! でも、毎夜毎夜、黒{鷺|さぎ}くん座黒くんの会話の{場面|シーン}は、おれの夢の中で頻繁に上演される。
 もっと正確に言えば、それは、どの夜の夢も、まったく同じ場面なのだ。同じ場面なのに、目が覚めて覚えているその断片は、毎回毎回、異なる。まったく、異なる会話なのだ。{更|さら}に詳しく言えば、その大半が、座黒くんの講釈。黒鷺くんは、聞き役……みたいな。
 ある朝、目覚めたときにどうにかこうにかまだ覚えているその断片を、ノートに走り書きした。短い秋の時令の間、ほぼ毎日といっても、ちょっとしか言い過ぎじゃないくらい……みたいな。
 で、それを、{繋|つな}ぎ合わせてみた。まるで、{パズル|puzzle}({謎|なぞ}{解|と}き)だ。結果は、言わずもがな。意味不明!
 そこで、思いついた。スピアの後裔記を読んだから……だけど。似たような夢を見たアヤツなら、もうちっとは、意味の通る会話に{纂|さん}じ直してくれるんじゃないかなって……。
 てな{訳|わけ}で、〈おれ無責任編集〉の夢物語が書き殴られた後裔記下書き用のノートを、スピアに見せた。
 マジで、{嫌|イヤ}そうな顔! まだ、何も言ってないのに……。
 そこまでは、まだ良かったが、少々間をおいて、次にスピアの口から出た言葉は、社史の〈二極代々記〉の要約を、スピアに振ったことへの非難。(ここでそれかい!)と、思うも、容赦はない。しかも、{轟々|ごうごう}と……。
 で、結局、本題に入れぬまま、その{場面|シーン}は、終わる。おれは、無言のまま、おれの下書きノートを、スピアの胸に差し出す。そして矢庭に、その場から{颯爽|さっそう}と立ち去り、その数歩ののち、とぼとぼと背中を丸めて歩きはじめた。
 そして{今宵|こよい}……。
 おれが、この後裔記を書いているころ、スピアが、おれの下書きノートを広げて、パズルとい奮戦格闘してくれていることを、切に願うばかりである。
 ヨ・ロ・シ・クーゥ♪ ですです(アセアセ)。

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