MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

東亜学纂学級文庫

『息恒循』を学ぶ

第4集「自伝編」木曜夜7時配信 R3.3.18 一息67

#### 後裔記「サギッチへの敬服と憤慨。{奴|やつ}の夢を{紡|つむ}ぐ」 少年スピア 齢10 ####

 サギッチ・オリジナルのピカソ文字……解読に、{挑|いど}む。座森屋創始者、ザグッチの反撃!

 一つ、息をつく。

 サギッチの然修録、異論なし。
 ヤツの大努力も、認める。
 座学ノートを、{捲|めく}る。
 確かに、サギッチが{纏|まと}めた循令解説の内容を、一つひとつ、見て取ることができた。しかも、散り散りにして、広範囲!
 さすがの(何が〈さすが〉なんだか……)ぼくも、これだけ散在している断片の数々を拾い上げて纏め上げるのは、か・な・り、{面倒|めんど}っちい。
 『息恒循』解説の輪番回避の本当の理由は、この「面倒っちい」だ。その{怠惰|たいだ}、{自堕落|じだらく}を見抜いたサギッチに、敬服する。
 ……次。
 同じくサギッチの、後裔記。これも、異論なし。但し、不服あり。
 {斯|こ}う、言いたいからだ。
 「おまえは、自分が書いたこの夢の走り書きを、読めるのかッ! これは、アラビア語かァ? それとも、ヘブライ語? {将又|はたまた}、古墳から出土した古代文字かァ? アーン??」
 言いたいことは、以上。
 では、本題……。

 サギッチが見た夢。この秋から冬にかけて毎晩……ちょっとづつ。その走り書き、{編纂|へんさん}の諸書としては、C級、D級……{否|いな}! {ゴミ|GOMI}の頭文字、G級。だって、書いた本人が、読めないんだからッ!
 登場人物は、ぼくが一夜で映し切った夢と、同じ。{鷺|さぎ}助屋の創始者であるに違いない黒{鷺|さぎ}くんと、こちらも座森屋の創始者に間違いないと思われる座黒くん。
 ここで、一つ。
 ぼくの{一幕|ひとまく}の夢と、サギッチが{散見|さんけん}した夢とを比べてみる。大きな違いが、{一|ひと}。
 座森屋の後裔のぼくが見た夢では、黒鷺くんが講釈を垂れて、ぼくの先祖(であろう、たぶん!)座黒くんは、{専|もっぱ}ら聞き役だった。対して鷺助屋の後裔のサギッチが散見した夢の中では、そのまったく逆。座黒くんが講釈を垂れ、サギッチの先祖(らしい……これも、たぶん)黒鷺くんが、専ら聞き役に回っている。
 G級諸書を、ここまで読解するだけでも、サギッチの循令解説の大努力に匹敵する。これは、〈たぶん〉は一切無しの、完璧に「間違い無し!」と、そう言い切れる。
 サギッチのピカソ風絵画を文字として{捉|とら}え、ぼくの一幕の夢から推察もしながら、ぼくなりに、しかも珍しく大努力で、サギッチが散見した夢の断片や{欠片|かけら}を、{繋|つな}ぎ合わせてみた。
 では、上映開始ーぃ♪ ……(アセアセ? 否。ブーブー、ブリブリ!)。

 「そっちぃ? {嗚|あ}ー{呼|ァ}、{鸚鵡|おうむ}返しねぇ♪ 便利だから、おまえも使えばいいじゃん! てか、おまえさァ。宇宙の道理って、知ってるかァ?」と、座黒くん。
 「知らん」。と、黒鷺くん。そして同時に、(てか、そう踏んだから、{訊|き}いてきたんだろッ! これも、おまえの{常套|じょうとう}だもんな、まったく)と、思う黒鷺くん。
 「じゃあ、教えてやる。
 ときに、大。
 ときに、小。
 ときに昇るや、ときに{潜|ひそ}む。
 その{何|いず}れもが、陽を好む。{故|ゆえ}に冬は縮こまり、夏は大いに、動く。「人{興|おこ}って志気と時運を得れば、四海に縦横する」って、聞いたことあるだろッ? 無いみたいだなッ! まァ、いいやァ♪
 確かに、おまえは、その縦横する{龍|りゅう}のように、大きい。されど、ときに、小さい。そのときのおまえは、神通力なく、{把握|はあく}の徳なく、穏と顕を自在に操る才もない。そのとき、正におまえは、{同胞|はらから}である自然人をも、絶滅に追い込む。
 これだけ詳しく言えば、さすがのおまえも観念して、よく{解|わか}っただろッ?」と、座黒くん。
 「わからん……」と、黒鷺くん即答。その一言……及び、{余韻|よいん}が少々。
 「マジかいッ! では、遠慮なく{問|と}おう!
 {皆|みな}が好む陽の光とは、核融合で{放|はな}たれた原子力の輝きだ。人は、原子力を毛嫌いするというに、{何故|なにゆえ}に太陽の原子力だけが、例外なりや。
 答えよう。それは、太陽のプログラムの中に、{誤り|バグ}が、隠れ潜んでいないからだ。絶え間なく、何物にも{妨|さまた}げられることなく、核融合を繰り返す。
 では、問いに戻ろう。
 おまえが開発を果たすであろう{頭蓋|ずがい}埋め込み型人工知能受信機のプログラムに、{潜む誤り|バグ}は、一切ないのかァ? 誤作動する恐れの確率は、ゼロ%なのかァ! 未来永劫、劣化はしないのか……。
 仮に、一千万個の頭蓋に埋め込まれた{人工知能|チップ}を、回収修理するとしよう。先ず、どれだけの期間で、どうやって掘り起こいすか。バグの修正に要する時間など、それに係る時間に比すれば、「とうの昔に、オーケイよーん♪」ってなもんだろう。
 次に、その修繕されたチップを、どれだけの期間内に、どうやって埋め戻すか。どうなんだ。答えろッ! 問われて答えるが、鷺助屋の{情|なさ}けってもんじゃなかったのかァ? そう{豪語|ごうご}してたのは、おまえじゃなかったっけかァ。嗚呼、ぼくの、勘違いかァ? 豪語してたのは、四谷のイワちゃんだったけぇ?
 金を{注|つ}ぎ込むことは、{焦|あせ}らなくっても、有りさえすれば、いつだって出来る。だからこそ、その前に、行動を起こす前に、{懸念|けねん}や洞察や先見を、白日の下に並べ立てる。その目的は、一つ。〈最悪〉を、{炙|あぶ}り出すことだ。希望的観測に、未来は無い。
 まァ、問題児の親友に未来が無いのは、ある意味、好ましいことだがな」と、座黒くん。
 「教えてくれて、有難う。おまえと親友だったとは、知らなんだ。おれは、てっきり、おまえとおれは、宿敵だと思ってたよ」と、黒鷺くん。
 「そっちの有難うかい! まァ、有難うには違いない。それより、有難うを言ってくれんかった話のほうが、まだ終わって{居|お}らん!
 {兎|と}にも{角|かく}にもこれから、ありとあらゆる{場合|ケース}を想定して、その一つひとつに対する{遣り方、方法|アルゴリズム}を、その{鷺|サギ}チップにインプットしなきゃなんないって{訳|わけ}だ。
 仮にも、それを{遣|や}って{退|の}けたとしようか。
 だがな。
 社会に{澱|よど}んでる{違法、非合法|イリーガル}なケースの方が、人間が思いつくアルゴリズムより数千倍も数万倍も、多いんだ。その数に匹敵するアルゴリズムを{叩|たた}き出せるのは、人工知能でも、そに移植しようとしてる顕在意識でもない。脳ミソとは言っても、そこに、{味噌|ミソ}はない。
 人間の本当の味噌は、潜在意識と超意識……{即|すなわ}ち、瞑想と直感。遺伝子と連携した思慮深さと、瞬時に開花する鋭い感性だ。そこに、自然界の霊薬が、投与される。そこで誕生する未知にして新たな無形生命体が、霊力だ。
 なァ、クロスケ。ここで……それは、まさに今。なァ、よく考えろよッ! 今なら、まだ間に合う。ぼくら自然{民族|エスノ}がヒト種なら、和の{民族|エスノ}だって、そして、文明{民族|エスノ}だって、みんな、ヒト種なんだ。
 ぼくらが考え及ぶ程度の頂には、和の人たちも、文明の{奴|やつ}らも、簡単に登って来れるってことさ。
 どうだ。これで、{解|わか}っただろう。
 {判|わか}ったなら、{潔|いさぎよ}く、観念したらどうだッ!」と、座黒くん。
 「観念など、せん」と、黒鷺くん。
 「{呆|あき}れたやつだなッ!」と、座黒くん。
 「誤解すんなッ! おれは、ちゃんと解ってるんだ。ただ、{判|わか}りたくないだけだ」と、黒鷺くん。

 あーァ! この{小汚|こぎたな}い字、何とかしてーぇ!!
 後編に、つづく……撃沈、爆睡! 

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 _/_/_/ エスノキッズ心の学問「自伝編」 _/_/_/
 平成22(2010)年4月創刊
 旧メルマガ名: 「オールドパパスの配信小説」

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 この周期は、創作の作業段階によって、変動します。
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 最も時間を費やすのが、シントピック・リーディング期間です。同じ主題(テーマ)の本を、数冊読みます。一つの主題に関して、多層的な視点を持つことによって、どの論説にも{偏|かたよ}らない、客観的な解釈を実現できます。

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