MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

東亜学纂学級文庫

『息恒循』を学ぶ

第4集「自伝編」金曜夜7時配信 R3.3.19 一息68

#### 後裔記「夢の後編。遺伝子と後裔記の意外な因縁」 少年サギッチ 齢9 ####

 スピア丸、撃沈。*浮上せず*。後編へつづく……とは、相成らず。読めない形象文字に潜んでいた、おれたちの*血の*驚きの*真実*!

 一つ、息をつく。

 残念無念観念……嗚呼、ご勘弁(ショックショック)。
 という{訳|わけ}でありまして、自ら後編へと続ける。
 自問。「読めるんかい! {蚯蚓|ミミズ}{這|は}い~這い~文字~ぃ」
 自答。「どうなんだか! まァ、はい……ですです」

 「そこまで言い切るなら、説明してもらおう。おまえが理解して考えた{誤り|バグ}対策というものを、{篤|とく}と聴かせてもらおうじゃないか」と、ザグッチ{事|こと}、スピアの祖先らしき座黒くん。
 「誤動作を認めたら、直ぐに破壊する。電脳チップに、遠隔操作の起爆回路と起爆剤を埋め込んでおく。理想は、チップのみの破壊。だがそれは、万人に万全とはならないだろう。
 仮にチップのみを破壊できたとしても、宿った生体頭脳に、好ましからぬ{誤り|バグ}が生じてしまう。電脳チップの洗脳から、解き放たれるということ……{即|すなわ}ちそれは、おれたちの陰謀に気づいて、肉体が好ましからぬ行動に転じるという懸念だ。
 いっそ、その頭ごと爆破! {一思|ひとおも}いに、殺してしまったほうがいい」と、クロスケ事、おれの先祖らしき黒{鷺|さぎ}くん。
 「最初から、そのつもりなんだろう。おまえには、予見の{遣|や}り方も、その活用の仕方も、{何|なん}にも{解|わか}っちゃいない。だからおまえがやる事は、いつも危ういのだ」と、ザグッチの野郎。 
 「おまえが言うことは、いつも問答無用だな。だけどな、これだけは言っておく。おまえの言うことは、いつも、{訳|わけ}{解|わか}んねーぇ!!」と、クロスケくん。
 「じゃあ、教えてやろう。問いもしない馬鹿野郎に教えてやるは、座黒一族の情けだ。承知して、{聢|しか}と聴け!
 未来即ち、安易な考えで突っ走った無残な末期を予見したければ、今を未来に見立て、現在に{居|い}る己を過去に置き、その過去に置かれた自らの頭で、未来に見立てて現在に居る己を観察する。仮に過去に置いた己の周りに居る先人偉人たちの助言が、大いに役立つことだろう。
 その先人とは、我らが共通の先祖。それは、亜種ではなく、一つの種。ヒト種……それ即ち、人間! その人間の頭を、爆破するだとぉーッ!? 殺し合うだーァ?? 貴様ら一族の先祖が、そんな{陸|ろく}でなしの後裔の馬鹿げた暴挙を本当に望んでいるのかどうか、己の過去に行って、自分の目と耳でよく確かめてくるがいい。
 これでもまだ、WWNと言うかァ!」と、ザグッチ野郎。
 「なーんじゃその、WWNっツーのはッ!」と、クロスケ。(当然♪)と、思うおれ。
 「WAけWAかんNE-ぇ! の、略だ」と、ザグどん。
 「そっか。じゃあ、YESだッ! 言ってやる。WWNだーァ!!」と、クロスケ。(だよなッ!)と、思うおれ。
 「面倒臭い{奴|やつ}だ。でも、教えると言った以上、ここで引く{訳|わけ}にはいかん。
 例えば一世紀前……まァ、半世紀前でもいいや。仮にその過去に置かれたぼくらは、文明界と自然界が{齎|もたら}した結果の未来……即ち〈今現在〉を、どれほど予見できているだろうか。
 我ら自然人の思考が追いつけない猛烈な速さで、半世紀後の今現在の文明界は、ひとしきり荒廃し、{猶|なお}も最悪へと{変貌|へんぼう}を続けている{最中|さなか}なのだ。
 追いつけないものを、いくら追っ駆けても、予見は、不可能だ。だからさ。それを可能にするのが、後裔記という訳だ。ご先祖さまは、それを読んで、高速の未来を正確に予見したいがために、子々孫々の我らに、その{史|ふみ}を{怠|おこた}らず絶やさぬように{綴|つづ}り続けよと、{仰|おお}せられているのだ。
 そしてご先祖さまは、そうやって知った未来を総括して、遺伝子という古風な手段を使ってだけんども、その過去から現在に到る半世紀の{経緯|いきさつ}を、ぼくら後裔の腹脳、{或|ある}いは頭ん中の層脳、即ち潜在意識に伝え、それを投影して、ぼくらの{塊脳|かいのう}……{所謂|いわゆる}顕在意識に{観|み}せたいがために、上映してくれているのだ。
 これ、何とも根気の{要|い}る大親切なりやッ!」と、何とも根気の要る大迷惑な宿敵……少年座黒の野郎。
 「で、おまえの先祖は、何と伝えて来てるんだッ!」と、当然が{如|ごと}く問う少年、黒鷺くん。
 「文明{民族|エスノ} {=|イコール} 愚者 ……ではない。なかには、{義胆|ぎたん}を持った者も居る。彼らは、文明界で、変種にまで{貶|おとし}められた。{挙句|あげく}は切り捨てられて、あれよ今よと、{直|じき}に亜種とならんは必定。
 考えてもみよッ! この世も、あの世も、何にあってもなかろうとも、その基は、人だ。{朽|く}ち腐った文明界の人間ども{然|しか}り。
 その昔……即ち、人を得た時代。その当代当時、{日|ひ}の{本|もと}の国は、至誠の人が{溢|あふ}れ、国体は維新という快挙をも成し{遂|と}げ、大いに盛んだった。
 それが、百年も待てぬうちに、人心が{廃|すた}れてしまった。ただそれだけで、国体という生きものは、{亡|ほろ}びてしまう。今、文明人と闘わなければ、それは深夜の悪夢ではなく、夜明けの現に照らし出されてしまう。
 その文明人たちと闘う相手は、自然人ではない。人と人が戦うは、至誠に{悖|もと}る。それが{故|ゆえ}のこと、{愚|おろ}か者は、その戦いの片方のみに{非|あら}ず。両者共に、愚かだ。
 時勢は、{徐|おもむろ}に転回する。我ら自然{民族|エスノ}は、その時勢に{順|したご}うて、{六然|りくぜん}と七養を{以|もっ}て、自然の一部で在り続ける。それが、闘うということだ。{戈|ほこ}を振り上げる戦いは、自然から離れ腐った、愚か者がやることだッ!」と、宿敵事、それ{故|ゆえ}のおれのご先祖さまの親友、ザグッチが言った。
 「つまりおまえは、文明人の頭を爆破することも、文明{民族|エスノ}を皆殺しにすることも、{悉|ことごと}く、おれの計画に反対という訳だなァ? なァ。おまえも、ここで一つ、考えてもみろよ。
 おれたち自然界の生きものは、人間……文明人を信じ続けて、何百回、何千回、裏切られてきたんだ。おまえは、裏切られ、無視され、踏み{躙|にじ}られたお礼に、そいつらの命を救ってやれとでも言いたいのかッ!」と、おれら鷺助屋の開祖(と、思われる)クロスケくん……が、言った。
 「お前が欲しいのは、チップの自滅回路なんかじゃない。おまえが計画している人工知能のチップの中に組み込まれるのは、原始的な爆薬と、その起爆回路のみだ。おまえが本当に欲しいのは、洗脳のため、{延|ひ}いては頭を爆破するため、チップを頭に埋め込む……そのための、**口実**だ。
 悪に戦いを挑もうとするおまえに、至誠が無いとまでは言わない。それと同様に、無いとは言わないまでも、だが明らかに、その大半が欠落しているものがある。
 それは、真っ正面から異議を申し立て、{已|や}むに已まれず戈を振り上げるような、動物的だが忠純な義胆……おまえは、そこに{缺|か}くる」と、スピア{等|ら}座森屋の開祖(と、思われる)ザグッチ……が、言った。
 「もういい。{解|わか}ったから、それ以上、言うな。だが、一つ。おまえに、問う。
 それでおまえは、{或|ある}いはその義胆とやらを備え持った{御仁|ごじん}は、悔しくないのかッ! {耐|た}え{難|がた}くないのかァ? 忍び難くもないという訳かァ! 戦わないとしたら、おれらは、この悔しさを、この耐えが難きを、どうやって忍んで生きてゆけばよいのだッ!」と、クロスケ。
 「おまえも、ぼくも、きっと、考え過ぎなのだ。もし、そう思える時代の幕が{開|あ}けば、きっと、忍べる。たぶんな」と、ザグッチ。
 「無理もない。考えなければ、間が持てない。おれらには、喜怒哀楽が無いんだからな。思いと考えと行動、その三つの機能しかないんだ。
 なァ! その喜怒哀楽……情緒のすべてをおれらから{剥|は}ぎ取ったのは、どこの誰なんだッ!」と、クロスケ。
 「ぼくは、義丹のすべてが欠如してるのかもしれない。ぼくが本当に欲しかったのは、{憐|あわ}れんでもらうことだ。心が、{怨|うら}めしい、怨めしいって、悲鳴を上げてるんだ……」と、ザグッチ。
 「次の天地創造で、生まれ変わってみたいもんだな」と、クロスケ。
 「だな。そこでもまた、ぼくたちは、宿敵なんだろうな」と、ザグッチ。
 「言えたなッ♪」と、クロスケ。

 以上。
 ここで、撃沈。
 おれの潜在意識を{揺|ゆ}すり起こす、不届き者{在|あ}り。
 その、おれの顕在意識が、言った。
 「もう眠いぢょーォ!! 耐え難いぢょーォ!! モヨメレジョヨーォ!?」
 ここで、爆睡。
 おやすみなさい♪

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 平成22(2010)年4月創刊
 旧メルマガ名: 「オールドパパスの配信小説」

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