MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

後裔記と然修録

ミワラ〈美童〉たちの日記と学習帳

一学 50【門人学年ヨッコ】あの凄い日本民族は死滅した。民族ごとに進化と退化が進む。人類は亜種へと分化しつつある。

第3集「教学編」R3.1.10 (日) 7:00 配信

 一つ、学ぶ。

 べつに、進化の話をしたいわけじゃない。ホモサピエンス種とか自然エスノ亜種とか、生物の分類の話をしたい{訳|わけ}でもない。近年、民族ごとに、好き勝手に進化や退化が進んでいる。その結果、わたしたちの先祖……日本民族は、死滅した。
 彼らは{亡|ほろ}びる寸前、三つの亜種へと分化を{始|はじ}める。その一つが、わたしたち亜種、自然エスノ。ほかに、文明エスノと和のエスノがある。エスノとは、簡単に言ってしまえば民族のこと。呼称というものは、時代時代で変化してゆく。事実、わたしたち亜種自然エスノも、分化がはじまった当初は単に、自然人と呼ばれていた。
 ここで、今回の{主題|テーマ}。死滅した日本民族……今どきの呼称に言い換えると、〈日本エスノ種〉といったところだろうか。その日本エスノ、どのような民族だったのだろうか。驚くべきことは、彼らが亡びてから、まだ百年と経っていないという事だ。  ちょっと前まで生きていた、生存していたという事実。この、まだ生々しい現代のうちに、この然修録は、大いに彼らの事を語り伝えておくべきなのではないだろうか。
 ヒト種分化の近代から現代の中にあって、哲学も、哲学に助けられて成った心理学も、分裂と回帰を繰り返す宗教も、分化とは別の路線で、ある事に着目し続けている。そのある事の性質を探求したり、収集分別して何種類かの法則の型に{嵌|は}め込むことにも、努めてきた。
 {況|いわん}や、人間力!だ。
 その性質や法則を学んだり研究したりといった努力の積み重ねが、今のわたしたちの学問の指標の一つとなっている。わたしたちの立命や運命の指南書『息恒循』も、そんな学問を実践して生まれた哲学分野の一つの型だと、言えるのかもしれない。
 でもわたし、思うのね。そんな型の解説を{列|れっ}することよりも、その{実際の事象|モチーフ}を歴史に刻んで、後世の子々孫々に残してあげることのほうが、{解|わか}り{易|やす}くもあって、有難さもより大きいんじゃないかなって思う。{所謂|いわゆる}、先人{先達|せんだつ}の語録ってやつ。

 日本エスノのどこが{凄|すご}かった!のか。
 海外の偉人研究者たちの考察を総括すると、「日本{民族|エスノ}こそが、世界最強の修羅場脱出の達人だ」と、言っている。  その修羅場とは、{所謂|いわゆる}国難、民たちが{蒙|こうむ}った逆境。例えば、大化の改新、応仁の乱、{蒙古|もうこ}来襲、明治維新、{聖驕頽戦|せいきょうたいせん}(環太平洋戦争)、オイルショック……等など。
 「これらを{悉|ことごと}く乗り切ったのだから、今後も{如何|いか}なる国難があろうとも、日本民族はその逆境を見事に乗り切ることだろう」と、誰もがそう予測して、信じて疑わなかった。{然|しか}し、その結果は、大きな期待外れとなってしまった。{何故|なぜ}、日本民族は今回に限って、修羅場から脱出することが出来ず亡びてしまったのだろうか。
 先の海外の偉人研究者たちは、後年、言い{訳|わけ}に明け暮れる絶滅{危惧|きぐ}種の〈{廃|すた}れた日本エスノ〉の{為政者|いせいしゃ}たちに対して、{斯|こう}う論破している。
 「その理由は、三つだ」と。
 一つに、政治を信じてしまった。
 二つに、情報を{捉|とら}える感覚が{鈍|にぶ}かった。
 三つに、明治に学ぶことを{止|や}めてしまった。
 ここで、『息恒循』の様々な循の要素、例えば自反や{六然|りくぜん}や七養、更には陽明学の格物などの原典となった安岡教学より、この三つを総括したとも言える語録を引用する。

 * 「一国の政治いかんは、政策が問題をつくっていくか、事件が政治を引きずるかによって判断できる。為政者が確固たる主義・信念に基づいた政策によって政治を動かさない限り、国家社会は崩壊の危機を免れるものではない」

 凄かった日本民族……。  {遡|さかのぼ}るに{順|したご}うては(……てか、なんかさァ。ムロー先輩の口調になっちゃってるけど。まァ、いっかーァ^!!^)、吉田茂のような政治家が{居|お}ったし、更に明治維新の頃で言えば、橋本左内と松平{春巌|しゅんがく}、吉田松陰と佐久間象山、西郷隆盛と島津{斉彬|なりあきら}のような凄い同志たちが居った。
 情報を捉えて国難を{憂|うれ}い涙する為政者が、居らなくなった。人、金、物が、政治と経世済民を支配した。感覚が鈍ければ、どんなに具体的で真実を伝える情報も、何の役にも立たない。そこから、原動力など生まれるはずもない。なるほど情報とは、〈情の{報|しら}せ〉!であるよ。
 さて、固い話(し方)は、ここまで。
 誰だったか然修録だったか、明治維新の〈維新〉の語源・由来について触れてたから、ここで蒸し返すようなことはしないけど、{兎|と}にも{角|かく}にも、維新は凄い! 一条の炎も上げず、一滴の血も流させなかった。
 もし日本民族が、この幻と思われてきた無血革命……維新という快挙を、もう一度成し遂げる能力を失ってさえいなければ、あたいらヒト種……ホモサピエンス種が、人生いろいろに退化して幾種もの亜種に分化するなどという悲劇を見せられることは、きっとなかったことでしょう。……でもね。
 「見ちゃったもん、しゃーないやんけぇ! {戦|たたか}ってやんねんかァ、あたい! 覚悟さらせーぃ」  てか、何と{闘|たたか}えば、いいのかしらん^?!^

皇紀2681年1月10日(日) 活きた朝 1:38
門人ヨッコ 青循令飛龍

令和3年1月10日(日)号

一学 50【門人学年ヨッコ】あの凄い日本民族は死滅した。民族ごとに進化と退化が進む。人類は亜種へと分化しつつある。

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MIWARA BIOGRAPHY
(C) Akio Nandai "VIRTUE KIDS" Vol.1 to 12
V.K. is a biographical novel series written in Japanese with a traditional style.
Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.
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A.E.F. is an abbreviation for Adventure, Ethnokids, and Fantasy.