MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

東亜学纂学級文庫

『息恒循』を学ぶ

第3集「教学編」日曜朝7時配信 R3.3.7 一学59

#### 然修録「病弱を自慢するな。その心根を誇れ!」 門人ワタテツ 青循令{猛牛|もうぎゅう} ####

 病弱を自慢{気|げ}に話すニッポンジンの奇妙……{是|これ}、奇病! *自慢すべき*は、その病弱を{肥|こ}やしとする*人間の心根*である。

 一つ、学ぶ。

 「ここが痛い、あそこも痛い。持病、持病。病院でこんなことして、またいついつ行って、あ、次はどんな治療をして……」と、普通は恥ずかしくて口にしないような{弱音|よいわね}の話を、活き活きと、しかも{嬉々|きき}として語るニッポンジン。
 それだけならまだ奇妙で終わるが、往々にしてその結末は、〈出来ない事〉の言い訳として{括|くく}られる。「本当は、こんな事をしたい。でも、こんな{身体|からだ}だから、無理なんだ。本当は、こうなりたかった。でも、そんな厄介な持病があったから、{諦|あきら}めたんだ」と、こんな具合。
 是{正|まさ}に、息恒循の恒令の一日目(日曜日)、〈七養〉の中にある**あれ**に{悖|もと}るものではないか。その〈あれ〉とは、「言語を省いて {以|もっ}て神気を養う」で、ある。
 この痛い弱音……一応は、{尤|もっと}もなような話にも聞こえる。でも、同情する気にまでは、なれない。この奇病の{源|みなもと}は肉体ではなく、その心根にあるからだ。その心の〈根っこ〉というやつは、健全で満足な肉体しか、肥やしに出来ないのか。痛かったり不自由だったりする肉体は肥やしにはならず、その人の心根は、必ず腐ってしまうものなのだろうか。
 正直、激痛や不自由を克服して願望や目標を成し遂げた気概ある人たちと比べると、言わずもがな……{唾棄|だき}に値すると言いたくなる。病弱だから、気概を持てない? 「{寧|むし}ろ、逆だ!」という考え方は、果たして非現実的で不届きで失礼な考え方であろうか。それこそが、寧ろ逆ではないのだろうか。
 病弱であるが{故|ゆえ}に気概を授かり、願望や目標を実現した人たちは、探し求めててみると、何となんと、枚挙に{暇|いとま}がない。
 ここで、批判が趣味の方々に一言。重病、難病、障害をもった人たちは、例外? 差別や阻害を{蒙|こうむ}るから? それならそれで、それなりの学問や目標……{況|いわん}や、悟りの道というものがある。「こんな{辛|つら}い思いをするくらいなら、死んだほうがマシだ!」と、考えたら逆に勇気が{湧|わ}いてきて、病魔と闘って、心も身体も丈夫になった! ……なんて話も、どうしてどうして、意外とよく耳にする。
 これは、{何故|なぜ}か。何故、そんな心境の変化が起きるのか。何故、そこまで変われるのか。これこそが、我ら人間が生まれ持った美質……**人間の妙理**なのだ。この人間の妙理、その実例を、二つ{挙|あ}げる。

   《 「廃人の奇跡」と言われた女性 》

 十九世紀の奇跡といえば、ナポレオン。そして、もう一人。この人。{ヘレン・ケラー|Helen Adams Keller}。一八八〇~一九六八、米国。生後十九か月で{盲聾唖者|もうろうあしゃ}となるも、生涯、身体障害者の福祉事業に献身する。二歳のときに脳膜炎……以後、何も見えず、何も聞こえず。
 あらゆる治療を試みる両親……。
 電話の発明で名高く、親子代々聾唖者教育法の研究者でもあったベル氏の助言を聞くに到り、遂には運命の人、サリバン女史に娘を託す。そのサリバン女史も、少女時代の高熱で視力を失い、盲学校で学んでいた。心温かい看護をする反面、厳格な家庭教師。やがて少女ヘレンは、知能を啓発。数か国語を操り、ハーバード大学にも進んで、数々の功績を残す。
 そのヘレン・ケラー女史が、ある席で延べた感想……。
 「結局人間は、努力です。努力することによって、開発されぬ何物もありません」

   《 「アフリカ開発の先駆者」と言われた男 》

 アフリカ開発といえば、イギリス人。そのイギリス人といえば、この人。{セシル・ローズ|Cecil John Rhodes}。一八五三~一九〇二、英国。十九歳で肺病。以後、{所謂|いわゆる}病弱。思い切った転地を決断。南アフリカで事業をやっていた兄を{尋|たず}ねる。やがて、ダイヤモンドや金の産業を独占、ケープ植民地の首相となり、中央アフリカを征服。終には、ローデシア植民地を建設する……等など、目を見張る大活躍の快進撃を続けた。

 ここまで{凄|すご}くなくても、心根が同じ事例は、探せば{身近|みぢか}にいくらでもある。肉体の{病|やまい}に、心まで{捕|とら}えられてしまって、{悪戯|いたずら}に戦々{兢々|きょうきょう}として、やたらめったら薬を飲んだり、闇雲に入院したり、臆病な養生を続けてみたりしたところで、それは**生**を養っているのではなく、正しく、既に{亡骸|なきがら}となった自分の心身を、この世に温存させ保管することに、ただ苦慮しているだけの事に過ぎないのだ。
 あッ! 輪番……。
 {因|ちな}みに、息恒循の恒令七日目(土曜日)は、自修です。
 マザメちゃん、よ・ろ・し・くーぅ♪
 はいはい……(アセアセ)。
 
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