MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

後裔記と然修録

ミワラ〈美童〉たちの日記と学習帳

「教学編」土曜朝7時配信 R3.3.27 一学69

#### 然修録「{何故|なぜ}人は救われないのか。怒鳴りの心理を自反」 学徒オオカミ 少循令{石将|せきしょう} ####

 男どもが弱くなった理由? そんなもん、*単純明快*! 自称、可哀想な人たちが救われないのも、これ*当然*。で、本題。*目的心理学的に*、素直に*自反*♪

 一つ、学ぶ。

 親愛なる学友、マザメ女子に一言。
 「振るなッ!」
 しかも、心理学?
 {況|いわん}や、苦手に決まっとるやないけーぇ!!
 せめて、儒学にしてくれ。
 ……で、何を書けってぇ?
 「弱くなった。特に、男ども。そのへんのところを、調べる。目的心理学的に、その原因を、説明してよねぇ♪」……ってかい!
 次に、それを、おれに振った理由は、{斯|こ}うだ。
 「外との関係は、オスのほうが、実践豊富。狩りをするから」
 ってことはだ。{即|すなわ}ち……。、
 「男どもが、対人関係で弱くなった理由を、目的心理学的に、説明する」
 と、相成ろう……が、その前に、おれ的な見解が、二つある。それを、正直に書く。

 【い】 神様も仏様も、どんなにいっぱい{賽銭|さいせん}を投げたところで、どれだけ毎日毎日{拝|おが}んだところで、誰一人、救ってなんかくれやしない。
 これ、当然。
 救われた自分が見たければ、自らそんな自分自身に成って、それをこの世に映し出すしか方法はない。
 そんなこと、わざわざ目的心理学がどうのこうのって、回りくどい説明をしなくっても当然……と言うか、必然。しかも、必定だ。

 【ろ】 対人関係……その相手が、{喰|く}えない野郎でも、食える{猪|イノシシ}でも、{何|なん}だっていいけどさ。
 「オドリャー! スドリャー!」で{襲|おそ}い掛かってきたら、こっちも「オンドリャー! スンドリャー!」で、真っ正面からぶつかっていくしかないだろッ! 相手がデカけりゃ、ボウズリか単管パイプ、用意しときゃいいだけの話さ。
 「わりゃナメとんかァ! ゴラゴラゴラーァ!」とまで言われて、「いや、す、すみませーん♪(ペコリペコリ)」なんて言って、ヘラヘラ笑ってるような性別不明変種の軟体動物は、大魔神の{踵|かかと}にでも押し{潰|つぶ}されて、ペッタンコになって、死んじまえばいいんだ。
 そんな軟体変態動物を、そのまま、{他人事|ひとごと}みたく見て見ぬふりをして{放|ほ}ったくっとくから、そいつらが山ん中……じゃなくて、家ん中で心腐らせて、陰でコソコソ、陰湿な心の犯罪を繰り返すのさ。
 ぶん{殴|なぐ}りもしない。ぶん殴ってももらえない。それは、あの世での生き方さ。この世でそんなことをやってたら、立ち{所|どころ}にヒト種は絶滅さ。

 正直な見解、おわり。
 次、本題。 

      **オオカミの自反**

   《 直ぐに{怒鳴|どな}るのは幼稚の{証|あか}し 》

 わざわざ大勢が集まっている場所で、わざわざ{絞|しぼ}り出すように何かを思い出して、みんなの前で相手を怒鳴って、{扱|こ}き下ろすヤツが{居|い}る。
 その相手とは、絶対に反論もしてこなければ、{況|ま}してや、逆切れして殴り掛かってくる恐れなどまったくない、いつも大人しい、内気で色白で、{痩|や}せていて無筋の、弱々しい男の子ーォ!!
 さて。ここで、問題です。
 {理不尽|りふじん}に怒鳴る{阿呆|あほう}と、黙ってただ怒鳴られる阿呆。そのどっちの男の〈{呆|ほう}〉が、心が弱いでしょうか。
 「そりゃ、黙って下向いて、ヘラヘラ笑いながら頭{掻|か}いて、ペコペコ謝ってる{華奢|きゃしゃ}でひ弱な男のほうに、決まってんじゃん!」
 ……ですかァ? やっぱ、当然、そう思うよね?
 でも、不正解! 残念でした。
 普通、弱いほうが先に、{虚勢|きょせい}を張るんだよッ!
 剣道の試合だって、そうじゃん。弱いほうが、強いやつの周りを、グルグル廻りながら、「キャー! スギャー! アジャーァ!」って、{煩|うる}せーのなのって……じゃねぇかい?
 ここの{場合|ケース}で言えば、理不尽にわざわざ、みんなが見てる前で怒鳴り散らしてる{卑怯|ひきょう}で{卑劣|ひれつ}な男の{魂胆|こんたん}、見え見えだろッ?
 「こいつ、気に入らねぇ。俺の言う事を、聞きやしねぇ。調子こきやがってぇ。マジ、腹が立つ。今日こそは、見てろよッ! みんなの前で、俺に怒鳴られて、俺に{何|なん}の抵抗もできないカッコ悪いところをみんなに見られれば、{観念|かんねん}して、俺に従うようになるだろうからなッ!」
 と、精々、こんなところさ。
 で、怒鳴り散らした{後|あと}、冷静な顔に戻って、自分の株を下げないために、斯う言うんだ。

 「いやァ、つい熱くなって、自分を見失っちゃったーァ!!
 ダメなんだ、俺。
 {他人事|ひとごと}みたいに知らん顔してる{奴|やつ}とか、知ってるくせに知らん顔して卑怯な奴とか見ると、ついカッカきちゃうんだよねぇ♪
 この性格、直さなきゃ、直さなきゃって、いつも思うんだけどさ。また、やっちゃったねぇ」……(ポリポリ、ペコリ、ニンマリ♪)。

 とまァ、こんなところだろうな。
 本来、男が他の男たちを従わせようと思えば、その従ってくれた男の言動のすべての責任を負って、しかも普段は、その男の模範となり、尊敬に値する言動に努めなければならない。
 {然|しか}し実際は、ここでの例のように、従う従わないに関わらず、自分にとって都合の悪い相手に対して、理不尽な理由で怒鳴り散らすといった場面は、特に珍しいことではない。
 それは、明らかに{虚勢|きょせい}を張っているだけなのであり、自分の強さを周りの人たちに{強烈に訴える|アピールする}ことで、その怒鳴り散らされている相手よりも優位な立場に君臨したいというのが、その男の本心……{魂胆|こんたん}なのだ。
 こういう{類|たぐい}の虚勢へと到らせる{所謂|いわゆる}一つの劣等感を、「優越コンプレックス」って言うそうだ。
 これ、おれが苦手な心理学でしたーァ♪ (アセアセ)。

 ここで一つ。
 落とし穴があるので、補足しておく。
 誰かに怒鳴り散らされた場合、その怒鳴っている目的に心を集中して、それを正当に{捉|とら}えなければならない。
 その目的とは、大きくは、次の二つに分かれる{筈|はず}である。
 【い】 誠意と熱意で熱血的になってしまったが、純粋に相手のことを思って、勇気のある注意をしてくれた。
 【ろ】 不純で自己中心的な目的のために、悪意を持って人格攻撃をしてきている。誠意の{欠片|かけら}も無い。

 さて、ここで{愈々|いよいよ}というか、「やっと」と言うか、おれは、本題の**自反**をしなければならない。
 【イ】 上記の相手の目的を一切考えもせずに、すぐにカッカと熱くなってしまう。これは、己を正さねばならない。
 【ロ】 相手が熱くなるのを感じるや、こっちも負けじとすぐにカッカと熱くなって、矢庭に反撃に出てしまう。これも、己を正さねばなるまい。
 相手の熱が冷めるのを待って、相手が正しいところは素直に認め、また逆に、自分の行動で正当なところや、心掛けていることを、穏やかに説明する。{即|すなわ}ち、遠回しにしてグサッと刺さるような言い方で、相手に反省を{促|うなが}すべきであるということだ。 

 これが、逆の立場だったら、どうだろう。
 もし、せっかくの誠意を、その対象の相手に〈悪意〉に誤解されたら、それこそ、腹が立つことだろう。{故|ゆえ}に、誤解されないように注意を払った言動も、必要となろう。
 例えば、「おまえは、こうだからダメなんだ」みたいな所謂〈YOUメッセージ〉型は、決めつけたような印象を与えてしまうので、人格否定に誤解され{易|やす}い。
 対して、「おれは、こう思う」とか、「ここは、こうしたほうがいいと思う」のような所謂〈Iメッセージ〉型で言うと、相手が穏やかな印象を受けるので、伝わり易い。

 今、ふと思った。
 おれは、怒鳴り散らす相手を、年上に限定している。
 これが、年下だと、どうだろう。そう、極端な話、赤ん坊!
 悪意は無いにせよ、自分が言いたいことが伝わらなくて、ただ泣きじゃくっている。{喋|しゃべ}れないんだから、当然だ。
 ……と、いうことはだ。
 悪意にせよ善意にせよ、相手に伝わるような喋り方ができないということは、赤ん坊と同じではないか。
 つまり、精神構造が、赤ん坊と同じ。即ち、幼稚ということだ。言い換えれば、精神的に未熟な人間。大人になれない、お子ちゃまってことだッ!
 そんな相手に、直ぐにカッカと熱くなって腹を立てるおれは、鳴いている赤ん坊に、「{黙|だま}れ! ゴラゴラゴラーァ!!」と、腹を{空|す}かして泣いているだけの無力な赤ん坊を、ただ{虐待|ぎゃくたい}しているだけの、極悪非道な人間ってことになるのではないか……嗚呼、桑原桑原!

 そうだよッ♪ わかったッ!
 怒鳴り散らしている相手が誰かということを、意識しなきゃいいんだ。というか、意識しないようにしたほうがいい。その代わりに、「オドリャー! スドリャー!」以外の、ちゃんとした意味のある単語や熟語の文脈だけを、聴き取ればいい。
 問題解決のカギは、「誰が……」を消し去り、「何を?」に集中することだ。もし、その「何を?」を、たった一つだけでも聴き取ることが出来て、「おれがやるべきことは、これだったのかーァ!!」と、思えたとしたら……これぞ正に、あの**ことわざ**♪

 「棚ごと{叩|たた}き落とすのを思い{止|とど}まったら、その棚から、{牡丹餅|ぼたもち}が、落ちてきたーァ♪」
 ……って、こんな{諺|ことわざ}、あったけーぇ?!

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 平成28(2016)年8月創刊
 旧メルマガ名: 「ジージスイッチ」

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