MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

後裔記と然修録

寺学舎の子どもたちの冒険日記と学習帳

uki ^^/ 然修緑 第2集 第47回

uki ^^/ 然修緑 第2集 第47回

   四、 執冬2 (03)

 ケン 運命期 青循令 猫刄

 おれは、エセラより三つ年上だ。
 でも、どう見てもエセラのほうが年上の格に見える。
 小難しいこともいっぱい知ってる。
 浦町には、寺学舎がある。
 おれたち台地住みの子どもたちは、学舎で学ぶことはない。
 学んだにしても、お粗末な独学だ。
 学問が大事だということは学んだ。
 でも、どう学問すればいいのかは学んでいない。
 エセラたちは、寺学舎で学び、{仕来|しきた}りの旅に出た。
 サブライ亜種の教科書通りの人生を歩んでいる。
 それに比べると、おれたちはどうだ。
 エセラたちを見送り、また台地に戻って食うためだけの稼業だ。
 おれたちはこれから、どうすればいい?
 学ぶ?
 稼ぐ?
 出立?
 {先人先達|せんじんせんだつ}は、とかく時代が違うことを問題にする。
 でも、現実は、育った環境が問題なんじゃないかなァと思う。
 「問題なのだ!」と言い切らないのには、{訳|わけ}がある。
 なんか、言い訳っぽく聞こえるんじゃないかなって思うから。
 正直、{焦|あせ}る。
 なんか、不安……。 

 立命期 少循令 鐵将 エセラより

 寺学舎で学んだと言っても、正直なところ{息恒循|そっこうじゅん}をちょっと学んだくらいで、後裔記は日記だし、然修緑だって読書感想文みたいなもんだから、特に寺学舎で何かを学んだってわけでもない。
 息恒循なら、本と呼べるほどの分厚さもないし、息恒循だけちゃんと理解して、あとは読書で先人先達の声を聞いて、それを実際の体験のなかで試したり比べたりして学ぶしかないんだと思う。
 だから、寺学舎があろうとなかろうと、通おうと通うまいと、大した違いはないと思う。

 運命期 青循令 鐵将 スピアより

 立命期の少循令のころ、ぼくは、記憶力を武器にして旅をした。
 でも、正直を言うと、記憶力が良かったわけじゃない。
 ある先達の語録を読んで、覚えるとか暗記するとか、いわゆる記憶ってやつに対する考え方がガラッと変わってしまった。
 その先達は、特にコンクリートの打ちっ放しに特化した世界的にも著名な建築家だった。
 その偉人は、貧しい家で育ったので、大学には進めなかった。
 そこで彼は、十九歳のときに、ある決心をした。
 「建築学科の学生が四年間かけて学ぶ専門書を、一年で全部読もう!」と。
 毎朝九時から翌日の朝四時まで、机に向かったそうだ。
 彼のおばあちゃんが、こんなことを言ってくれたそうだ。
 「おまえは学校に行っていない。
 ハンディキャップがある。
 でも、ハンディキャップは意外といい。
 頑張るから」……って。
 これ、まさに『息恒循』にある「大努力」だよね。
 次に彼は、何をしたか?
 行動だ。
 昼はアルバイト、夜は通信教育で建築やデッサン、グラフィックデザインなどを手当たり次第に学び、休みの日は奈良や京都に行って、東大寺や法隆寺といった壮大なものから茶室のような小さいものまで、ありとあらゆる伝統的な建築を見て回る生活を送ったそうだ。
 これも、『息恒循』にある「行動の大切さ」と一致する。
 そして、いよいよ二級建築士と一級建築士の資格を取る時も、いずれも一発で合格しようと覚悟を定め、仕事の仲間と昼食に行く時間も惜しんで、パンを二つ食べながら一人黙々と建築の専門書を読んでいたそうだ。
 結果、一級も二級も両方とも一発合格!
 彼は、こう言っている。
 「若い頃に、一度は死に物狂いで物事に打ち込んでみることが必要です。
 目標を定めたら何が何でも達成するんだという意思を持たないと。
 独学であっても強い覚悟と実行さえあれば道は開ける。
 これは私の実感であり、体験を通して掴んだ一つの法則です」
 息恒循やいろんな書物に書かれている先人先達の語録は、そんな大努力を通じて導き出された法則の集まりなんだと思う。
 いまだに何も掴めないぼくが言っても、説得力はないんだけどねッ!
 
2026.1.2  まぐまぐ 配信
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発行 uki ^^/ UKI LIBRARY 卯喜書房

生物の分類
 動物界
  脊索動物門
   {茶猩猩|チチンパ}綱
   哺乳網
    霊長目
     ヒト科
      {青霊猩|レイヤーグ}属
      ヒト属
       ヒト種 {格武童|サブライ}亜種
           {守護童|マモリベ}亜種
           {青草童|ビドーサ}亜種
新種の生物
 チチンパ {進化|しんか}した{動物|どうぶつ}たち
 レイヤーグ {唯識|ゆいしき}を操る{魂|たましい}たち
 サブライ {自然|しぜん}を{敬|うやま}う{人|ひと}たち
 マモリベ {伝統|でんとう}を敬う{人間|にんげん}たち
 ビドーサ {電脳化|でんのうか}する{文明人|ぶんめいじん}たち

{息恒循|そっこうじゅん}の年齢
 {立命期|りつめいき} 天命の前期十四年間
  {幼循令|ようじゅんれい} 〇歳から六歳までの七年間
  {少循令|しょうじゅんれい} 七歳から十三歳までの七年間
 {運命期|うんめいき} 天命の後期三十五年間
  {青循令|せいじゅんれい} 十四歳から二十歳までの七年間
  {若循令|わこじゅんれい} 二十一歳から二十七歳までの七年間
  {反循令|はんじゅんれい} 二十八歳から三十四歳までの七年間
  {格循令|かくじゅんれい} 三十五歳から四十一歳までの七年
  {徳循令|とくじゅんれい} 四十二歳から四十八歳までの七年間
 {循令|じゅんれい} 七つの循令共通の七年間
  一年目 {飛龍|ひりゅう}
  二年目 {猛牛|もうぎゅう}
  三年目 {猫刄|みょうじん}
  四年目 {嗔猪|しんちょ}
  五年目 {悪狼|あくろう}
  六年目 {石将|せきしょう}
  七年目 {鐵将|てっしょう}

サブライ亜種
 シャチオ組の八人 バリー半島 台地と裏町 仕来りの旅仲間
  シャチオ 台地の古着屋の店主 19歳 運命期 青循令 石将
  ほのみ  エセラの姉(長女) 15歳 運命期 青循令 猛牛
  ケン   台地の雑貨店の店員 16歳 運命期 青循令 猫刄
  えみみ  ほのみの妹(次女) 10歳 立命期 少循令 嗔猪
  シンタ  台地スリ稼業の少年 14歳 運命期 青循令 飛龍
  エセラ  ほのみの弟(長男) 13歳 立命期 少循令 鐵将
  カズキチ エセラの親友    11歳 立命期 少循令 悪狼
  らら   シンタの妹      8歳 立命期 少循令 猛牛
 ムロー組の八人 バリー半島 浦町 寺学舎の学友
  ムロー  26歳 運命期 若循令 石将
  ヨッコ  24歳 運命期 若循令 嗔猪
  ワタテツ 25歳 運命期 若循令 悪狼
  マザメ  21歳 運命期 若循令 飛龍
  オオカミ 22歳 運命期 若循令 猛牛
  スピア  20歳 運命期 青循令 鐵将
  サギッチ 18歳 運命期 青循令 悪狼
  ツボネエ 16歳 運命期 青循令 猫刄