2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧
知らなかった愛読書の意味 K2694年 想夏 エセラ 立命期 少循令 鐡将 良き師友をもち、{座右|ざゆう}には愛読書。 人は、好きな物を好み、集めたがり、見たがり、触れたがり、食べたがる。 座右の書も、読みたがるようでなければならない。 しかも、その…
エセラ、別れの空 エセラ、七歳。 一年ぶりに、後裔記を書く。 ここの海は、{男神|おがみ}のような荒くれたところもないし、女神のような神秘の{煌|きら}めきもない。 港でも町でも、気遣いを覚えるような人通りを見たことがない。 だからぼくは、この港町か…
本気の亜種記 エセラは、燃え尽きるように、後裔記を書いた。 それを、亜種記と呼びたかった。 だが、呼ぶ前に、燃え尽きた。 これを最後に、また暫く、後裔記のフォルダを閉じる。 天、{曰|いわ}く。 和の{民族|エスノ}は、先人たちの努力労苦をよく敬し、…
百八十八年前の十六歳 K2694年 想夏 エセラ 立命期 少循令 鐡将 道の精なると精ならざると、 業の成ると成らざるとは、 志の立つと立たざるとに{在|あ}るのみ 百八十八年前、ぼくより三つだけ年上の少年が書いた詩だ。 来年の想夏、ぼくは十四歳となり…
お試し亜種記 一年が経ち、エセラは六歳になった。 矢庭に後裔記を書きはじめ、物語は、唐突にはじまった。 とうさんに、言われた。 「おまえたちには、生まれ持った美質がある。 それを、護り抜け。 そのためには、武の心が必要だ。 それを、養え。 そのた…
命の正体 K2694年 想夏 エセラ 立命期 少循令 鐡将 この世の時空のどこかに もし ぼくらの子孫が存在するなら 伝えたいことがある 命の正体は 感性だ 理性も 知性も あとからいくらでも作ることができる でもね 感性は どうやっても 作れない だって 感…
まえがき アイアム、テレブ。 七十六歳。 {美童名|みわらな}は、サーレ。 自己紹介は、後裔記を諸書として編集している方の「まえがき」に書いたので、省略する。 この編では、後裔記と同様、亜種記編纂のため、然修録を諸書として編集する。 イエロダが編ん…
_/_/_/ 後裔記 第2集 _/_/_/第4回 2024.1.2 配信 五歳が見た夢 宇宙人や幽霊との遭遇より、もっともっとびっくり驚く未知の世界がある。 それが、子どもたちの夢の中だ。 エセラ、ある日の後裔記。 また、夢を見た。 目が覚めたとき、ぼくは、その物語を正…