令和2年1月3日(金)
【アンチテーゼ(否定)】
格言。
立派な言葉、尤(もっと)もだと思うけど、
言うは易しで、現実は、
なかなかそうはいかないもんだ。
【モチーフ(題材)】
王陽明という人物
【テーマ(主題)】
偉人の語録は、
天(時代や情勢)地(場所)人(人物)を
選ばず、今に通ずる。
◎◎◎
昔から、人間を鍛えるものとしてよく、貧・病・獄が挙げられるそうです。
頭に浮かぶ東亜(中国や日本)動乱期の大思想家たちは、確かに少なからず貧・病・獄に遭っているように思います。
そんな、平和な世の中では到底体験出来そうにない境地、凄まじい逆境のなかで生まれ、語り読み継がれた語録を、平時の現在の私たち、最悪は平和ボケの現代の日本人に、理解などできるはずがありません。
そう思って、当然だと思います。
ところが、企業の創業や建て直しで厳しい逆境に遭い、それを多大な労苦で乗り越え克服し、目標目的を現実化させたた立役者の人たちは、先人偉人の名言格言と言われる語録に感銘し、しかもよく理解するだけに留まらず、それを実践に移している例は少なくありません。
それでもまだ、凡人の私などから見れば、彼らは現代の偉人で、特別に高い人間力を培った人たちに映ってしまいます。
末端の下っ端(ぱ)で人間関係に悩んでいる今どきの中流階級と称される人びとには、まったく別世界の事のように聞こえてくるのではないでしょうか。
果たして、本当に別世界でしか起こり得ないことなのでしょうか。
中国の明の時代に、王陽明という官僚がおりました。
まさにこの人も、貧・病・獄の逆境のなかで生きた人物で、特に病苦と迫害に苦しめられる生涯でした。
そんな、逆境がうねりのように繰り返しやってくる人生のなかで、彼は官僚の勤めに尽くすに留まらず、政治家、軍人、哲学者、教育者、詩人としても、その名を轟かせました。
ところが彼は、名声を求めることを強く嫌い、生涯、それを厳しく批判しています。
そんな彼の普段の素顔は、穏和で楽しい人で、風貌も偉ぶったところが何ひとつ無かったといいます。
しかも、彼が生業(なりわい)とした官僚の試験には、何度も落第しています。
尤も、落第の理由のほとんどは学科ではなく、面接での言動だったとも伝えられているのですが...。
さてそこで、問い掛けを一つ。
古今東西の偉人と呼ばれる人たちは、本当に特別な人間なのでしょうか。
「天才とは、血の滲むような努力を、諦めずに続けた人にだけ与えられる称号だ」という話を、何度も耳にしたことがあります。
偉人も、大思想家も、創業や再建の立役者も、私のような末端、下っ端の人間と異なる点は、ただ単に心の持ち方一つなのではないかと、内心、ふと思うことがあります。
その一つとは、必ず願望を現実化できると強く信じる信念、或いは、どんな逆境も燃やしてしまう猛烈な熱意かもしれません。
名言格言のなかで、いい言葉だなあ...とか、やっぱそうだよな...とか、そんなふうに思ったら、失敗や挫折や他人からの心無い言葉で心が折れたり傷ついたり病んだりすることなど恐れず、とにかくやってみればいいんです。
何度も何度も、毎日毎日。
そうすれば、歯を食いしばって唱えていた名言格言が、いつの間にか自分流にアレンジされ(整えられ)て、「◯◯◯◯◯、良し♪」「◯◯◯◯◯、良し♪」と、その自分のためだけの名言格言を、歌でも歌うように唱えている自分に、きっといつか、気づくはずです。
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なんだいこれひと/南内是人
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