令和2年3月22日(日)号
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エスノキッズ 心の学問「教学編」
教養宜しきを得れば、美質を持った天才が成長する。
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一つ、学ぶ。
旅から戻った門人、ヨッコです。
然修録、久々のカキコ、緊張です。
「ムロー先輩、先達(せんだつ)になったんですね?
おめでとうございまーす ♪ 」
って、会ったときに言ってあげようと思ってたのに、学人に戻っちゃったんですね?
可愛いーぃ ♪
顔も言(こと)の葉もキビシイのに、どことなく笑えるムロー先輩。
彼のファナティック(熱狂的な)とも言える支持者や愛好者は、その数知れず......。
ちょっとだけ、余談から入らせて戴(いただ)きます。
えッ?
ダメぇ?
それでは、本題。
次のようなレールを敷いて、走ります。
ムロー先輩に倣(なら)って、目次流写真読みの術 ♪
一、未来を楽しむ......青年よ、理想像を持て!
二、古典を愛(め)でる......濃厚な知恵、心の閃(ひらめ)き
三、感激の魂を読む......感憤で、心は歌う ♪
四、脱線......話の旅(女の話)は続くよ、どこまでも
《 一、未来を楽しむ......青年よ、理想像を持て! 》
世界には、偉大な哲学者や心理学者が数多くいます。
ウイリアム・ジェイムズも、その代表格の一人。
わたしの、記憶という名の玉手箱には、その名前は入ってなかったけど。
何故(なぜ)か、学徒時代の座学ノートには、しっかりとカキコまれている。
プラグマティズムの開祖。
それは、実践を重んじる実用主義。
わたしたちが学んだ息恒循(そっこうじゅん)は、行動の学。
49年間を、一(ひと)呼吸ごとに刻んだ運命の暦(こよみ)。
実践主義と、行動の学。
繋がった。
大家ジェイムズの言葉を、一つ。
「人間は青年時代に(いくつになっても同じだが)心のなかにはっきりした、正しい理想像、すなわち私淑(ししゅく)する人物を持って、この理想像に向かって絶えず努力する、そこに到達するように努力するということが青年の運命を決する問題だ」
〈 私淑 〉とは......
「孟子」離婁章句(りろうしょうく)下より。
「子は私(ひそ)かにこれを人よりうけて淑(よし)とするなり」から、
敬愛する人から直接教えを受けることはないけれど、ひそかにその人を師と考えて尊敬し、模範として学ぶこと。
その〈「孟子」離婁章句 〉というのは......
道徳による王道政治の理想を説いた儒学の大家、孟子。
その孟子、戦国諸侯との対話や修行を積んだ弟子との言行や思想を集積して、編纂(へんさん)したもの。
〈 解説 〉...... という名のお節介は、省きます。
但し、
省いたなかで、割愛と呼びたい部分だけ書きます。
あたいたち母国の男どもよッ!
意気地(いくじ)のない、あんたのことさ。
だらしのない、おまえのことさ。
憤発心を、起こせ!
太陽の光に、浴せよ!
太陽を仰がなければ物が育たないのと同じことで、理想精神に向かわなければ、心も、徳も、才智も芸能も、育たない。
新入学徒の少年、男どもに告ぐ ♪
だらしのない己の頭のなかに、
玉手箱があります。
その蓋を、
開けなさい。
そこん中に、
是(かく)あるを、
ぶっ込んどきなッ!
《 二、古典を愛(め)でる......濃厚な知恵、心の閃(ひらめ)き 》
心に閃く立命の叡智(えいち)、行動を起こさせる憤発力は、「詰まるところ」「結局は」「要するに」なんていう意気地のない、だらしのない文言がだらだらと並ぶ書物からは、絶対に得られない。
と、わたしは思う。
詰まるところ......こりゃ失礼 (^_^;)
己の体験や学師の経験が凝縮された短い言葉。
それが、語録。
古来からの、格言。
読むと、ピン ♪ とくる。
ハッ! とする。
シャキン! とする。
ところが、腹ん中の脳ミソ(腹脳・潜在意識)が腐っていると、消化不良を起こして、腹を下す。
読書の後には、正露丸が欠かせない。
それも、昔ながらの臭いのが宜しいようで......。
《 三、感激の魂を読む......感憤で、心は歌う ♪ 》
青年海舟。
貧乏とアルバイトの日々。
ときに25歳。
オランダ語の勉強を始める。
辞引(じびき)を見つける。
やっとこさで金を工面する。
買いに行く。
一足先に、他人の誰かに買われていた。
買い主を探す。
尋ね当てて、辞引の借用を申し込む。
買い主、承知。
法外な金をふっかけて、貸してやると言う。
再び、金を工面する。
やっと、借りることができた。
借りたものは、返すもの。
写しとることにした。
無論、書き写し。
しかも、二部。
その一部を売り、借用代に当てた。
当代、辞書を手書きで写しとるなんて馬鹿げたことをする苦学生は、いません。
ワンタッチ、精々数タッチで用が足りてしまうご時世です。
辞書を買うことすら、しません。
借りる?
ないない!
結果、人間は......。
頭を働かせて物を考えることを、しなくなった。
努力を、しなくなった。
頭が、鍛えられなくなった。
馬鹿になった。
わたしも、貧乏......の人生。
されど、青年海舟ほどの知恵は、持っていない。
でも、思う。
今のまま、貧乏のままでいい。
感激を棄てるくらいならッ!
《 四、脱線......話の旅(女の話)は続くよ、どこまでも 》
海外を歩くと、喜怒哀楽が豊かになる。
驚いた瞬間。
大恥をかいた場面。
緊張が走ったドッキュンバッコンの数分間。
「ナイーブ」という言葉で気を良くして喜ぶ自分の姿をふと思い出して、背筋がゾッとしたとき。
等々。
ナイーブの意味は、お人好しの阿呆。
お人好しは、その場で直ぐに認識を改めさせてやったけど、阿呆の方は、様々なモチーフを生んだ。
モチーフとは、テーマを身近なものに肉体化すること。
わからない?
感情化すること。
わからないよね?
いろんな角度からテーマを捉えて、そのテーマを認めざるを得なくなるような事件。
ちょっとは、わかったァ?
そんなモチーフが、わんさか起きる。
そのテーマってのが、
「お人好しじゃないのよ、阿呆はーァ ♪」
はい、その主役の阿呆が、わたしです。
では、そのモチーフ。
無愛想にサクッと二つ、紹介します。
『 モチーフ 1 』
登場人物 : ガイジン(わたし)
人の好さそうなガイジンの周りに、町の人々が集まってきた。
詐欺師、ぺてん師、掏摸(すり)、占い師、マフィア、麻薬の売人、白タクのドライバー、ホームレス......。
誰かが、言った。
「ねえ、JAPANESEでスキヤキ歌ってよーォ ♪ 」
路上ライブと化す。
歌詞を思い出しながら、辛うじて一番を歌い終える。
緊張、修羅場、安堵。
「こんな歌詞だったんだァ!」
自分の記憶の玉手箱の中に入っていた歌詞なのに、改めて、そんな感慨が脳裏に浮かぶ。
「なんか、切ないね。一番の歌詞......」
と、そのガイジンは、ひとりごちるのだった。
『 モチーフ 2 』
登場人物 : ガイジン(わたし)
カフェで、角砂糖を入れすぎてドロンとしているエスプレッソを惜しみもなく喉元に流し込んでいる中年男に、たまたま居合わせて後ろのテーブルに腰掛けていた顔見知りの女二人、先妻とマエカノが、声をかけた。
「ねえ。知ってる? 神の国の女が、今この町に来てるんだってさッ!」
そんな噂ばなしが、東へ西へ、上へ下へと、町中を駆け巡る。
そのとき、そのガイジンの女は、世界の群衆の中心にいた。
そのなかの、誰かが言った。
「ねえ! アマテラスのこと、いっぱい教えてよーォ ♪ 」
無論、その名前くらいは、知っている。
勿論、知っているのは、それだけ。
しかも、そのときそのガイジンは、アマテラスを男神(おがみ)だと思って、それを疑うことすら知らなかった。
「非国民」という古典的な言の葉が、脳裏に舞い落ちる。
帰国後、寝ても覚めてもアマテラス!
そこで、どうしても言いたいことがある。
古事記が編纂されて、1300年以上。
それはそれで、すごいと思う。
でも、その1300年もの間、我が国の神話は、ほったらかし。
ときおり、誰も読まないと言っても過言ではないと言いたくなるような全訳や完訳や解説の本が出る......だけ。
その全訳とやら、読みたくもないけれど、読む努力をしてみた。
なんとか辛抱して読めたのは、上の巻の「はじめに現れた神」から「天孫降臨と日向三代」まで。
それから先は、「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」は神業であって、一介の後裔(こうえい)に過ぎないわたしごときに出来ようはずもないことを、身を持って自らが証明する修羅場となった。
子ども達が知っている神話のエピソードは、絵本から。
青年やレディたちが知っている神話のエピソードは、マンガ解説本から。
聖書、名言格言集......広く、世界中で読まれている。
古事記、会ったことも聞いたこともない神々の逸話......外国語宜しく堅苦しい全訳完訳でしか読めない......しかも、神々がやっとこさで人間化して今日(こんにち)までの2600年以上もの間、神話が編纂されたのは、一度だけ......しかもそれは、1300年以上も前のこと......。
奇特なガイジンの子ども達が読んでるだけで、本家本元の母国の子ども達は、ほとんど限りなく全(まった)くに近く、誰も読んでいない......誰も、読まない。
日本書紀は、そんなガイジンさんの方々に向けて観光ガイド的に編まれたものだから、ここでは扨措(さてお)く。
で、本題の古事記。
その愛好者たちは、こう言う。
「記紀(古事記と日本書紀)を封印し、国民の意識の中から抹消することは、我が国の無力化を意図すする占領軍の戦略であったことに、そろそろ気づくべきであろう。
戦勝国軍の我が国占領の最大の目的は、我が国が二度と再び白人社会に対して戦争を起こさないように、骨抜きにすることだったのだ。
即(すなわ)ち、占領軍は、我が国の国民と、我が国の悠久固有の神話を引き裂くことによって、結果将来、我ら国民が独立の精神を失い、骨抜きのナイーブな奴隷と化すことを、最大唯一のテーマとしていたのである」
無論、同じ神の同胞(はらから)の一人として、異論などあろうはずがない。
万が一、異論が脳裏に浮かんだら、要注意!
それこそあなたが、非国民だッ!
でもね。
悪いのは、ほんとうに占領軍の政策だけだったのでしょうか。
自国に、独自の神話がある。
これって、凄いことなんです。
知ってましたァ?
だのに、その神話が、国民に根付かない。
それって、本当に、占領軍だけの所為(せい)なの?
口惜しきクエスチョンが、黄泉の国から湧いて出(い)でるイザナミと妖怪たちの一団よろしく、わたしの魂から這(は)い出してきて止(や)みません。
では、次回につづく......けど、
「カキコし易(やす)くしてあげたんだからねッ ♪
意気地のないこと書いたら、黄泉の国に突き落とすからッ!」です。
その時代時代に、アマテラスあり!
イザナミもねッ ♪
よろしく。
◎然修録(ぜんしゅうろく)、今日の録責
門人、ヨッコ
◎息恒循(そっこうじゅん)、こぼればなし
運命は、是(かく)の如く。
成長する立命である。
循令七回、49年間。
以(もっ)て天命に到る。
知命によって天命を知り、己に使命(到良知)を与え、運命よって天命を疑い、自ら己の天命を正す(格物)。
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