MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

後裔記と然修録

ミワラ〈美童〉たちの日記と学習帳

「教学編」日曜朝7時配信 R3.3.28 一学70

#### 然修録「目的心理学の生い立ちを追う……も、モヤモヤは続く」 少年スピア 少循令{猫刄|みょうじん} ####

 哲学者たちは、人間の条件反射に、いくつかの{類型|パターン}があると信じた。その流れから、*心理学は生まれた*。そこまで{判|わか}ったところで、*力尽きたぼく*。目的心理学とは何ぞやの*モヤモヤは*、まだまだ*続く*……。

 一つ、学ぶ。

 高学年が哲学・儒学で、低学年が心理学の流れ……。
 サギッチが、この流れを止める。これは、間違いない。
 ぼくも、心理学よりは、まだ儒学のほうが興味深いし、特に江戸期・維新期・明治期の偉人伝は、面白い。
 でも一つ、不思議に思っていることがある。
 同じ心理学でも、目的心理学は、なんとなく、馴染み{易|やす}いような気がする。
 疑問に思ったら、やれ!調査、それ!調査……と、その前に、その行為行動の目的を、明確にしておく……だったよねぇ?
 その目的とは、目的心理学の性質を知り、己の道に活かす。それがために、心理学の誕生から、目的心理学の生い立ちまでを調べる……だ。

   《 心理学の誕生 》

 人間に関すること……頭脳、思い、考え方に関するあれこれの知識……その記録は、古来、数知れない。
 その古代に生きた民族が、歴史の当代やその時代の人物を描写することから始まり、古代ギリシア・ホメーロスの叙事詩、諸書を{編纂|へんさん}した聖書、帝政ローマ・プルタルコスの伝記等など……。
 数知れぬ伝説や童話、{寓話|ぐうわ}や神話が、その時代時代の人間という存在を、素晴らしい形で、今に伝えてくれている。

 なかでも詩人たちは、人間の〈生〉を{捉|とら}えた。
 それは、どれを取って見ても、{既|すで}に完成された、切り離すことのできない、最小単位としての一つの総体、一個の全体……{即|すなわ}ち、独立した一人という人間の基本形を、様々な次元から描いている。
 詩人たちは、その次元に生きる人間を、ある時は死なせ、またある時は生かし、生かしては行動させ、その人間たちが、{如何|いか}に生きるという事と真剣に向き合い、苦悩していたかを、描いた。これだけでも、{至極|しごく}{卓越|たくえつ}した能力と、呼べる。
 {然|しか}し、詩人たちにだけ与えられた本当に卓越した能力は、そこではなかった。詩人たちは、複雑な人間の〈思い〉と〈考え〉と〈行動〉を、難しい解説を読んだり聞かされたりしなくても理解できるように、その{悉|ことご}くを、簡単な短い文章で、書き表すことができたのだ。

 {何故|なぜ}、詩人たちは、そんな才能を持つことができたのだろう。
 それは、物事を推察して読み取るという能力に、他ならない。それがなければ、人の行動の陰に隠されたものや、人間の{間|あいだ}に保たれているものなど、見える{筈|はず}もないからだ。
 この才能を、人びとは、〈直観〉と呼んだ。

 古来、人間たちが直面してきた様々な課題は、大なり小なり、どれを取って見ても、常に変化と刷新を繰り返してきた。
 もし人間が、一つの{類型|パターン}しか持たない条件反射の脳力のみで、これらの課題を解決しようとしていたならば、{唯々|ただただ}失敗を繰り返すだけで、我ら人間は、{悉|ことごと}くこの世から{葬|ほうむ}り去られ、とうの昔に、{亡|ほろ}んでいたことだろう。

 異なった性質課題が、次から次へと{襲|おそ}い掛かってくるのであれば、過去の条件反射……即ち、行動のあれこれを、その都度、一つひとつ、{吟味|ぎんみ}しなければならない。
 オオカミ先輩が直面した隣りの島の子どもたちの手作りゲームにしても、同じことが言える。
 その場限りの条件反射だけでは、いつまで経っても、ゲームの上達は望めない。コマ一つひとつの性質を、正しく**読み取る**。これが、オッサンを最小限の行動(コマを動かすこと)で追ん出すという課題に対する、最も効果の上がる**分析**反射なのだ。
 そこに気づいた島の子どもたちは、ゲームという課題に対する条件反射を吟味することによって、周囲と協力して生きることを知り、人間が直面するあらゆる課題に対して、常に幸せな答えを導き出すという才能……美質を、{見出|みいだ}そうとしているのだと思う。

 このように、様々な現象は、すべて一人の人間、個人に対して、起きている。{古|いにしえ}の人びとは、「そこに、ある一定の条件反射を{一纏|ひとまと}めにできるような、何か法則のようなものが存在するに違いない」と考え、そう信じた。
 すると、以後、そんな人間のよく{解|わか}らない脳力の法則について、数々の哲学者たちが、様々な法則を見出し、その一つひとつに名称を付けていった。

 カント、シェリング、ヘーゲル、ショーペンハウアー、ハルトマン、ニーチェ……。
 無意識の原動力、道徳律、意志、無意識……。

 これらのすべての法則を、己の心の中を観察することのみで、答えを引き出そうという、{所謂|いわゆる}〈内観〉を試みる人たちも、多く現れた。でも、この方法は、潮が引くように、消えていった。
 自分の心を読み取って、それを客観的に吟味し、その法則について正しく語ることが出来るのであれば、哲学も心理学も、人間の世に生まれてくることは、なかっただろう。

 {斯|かく}くして、まだ名も無い心理学は、哲学の手を借りながら、のちに〈人間学〉の両輪……哲学と心理学へと、成長発展してゆくのであった。

   《 心理学の目覚め 》 ……とか、
   《 進化を{捉|とら}えた目的心理学 》 ……とか、

 {纏|まと}めてみたい主題は、いくつか頭には浮かんでくる訳なんだけれども、{兎|と}にも{角|かく}にも、頭が、疲れた!
 ……なので、以上。

 これ、べつに、マザメ先輩の真似をした訳じゃ、ないからねーぇ!!
 ぼくだって……心理学、得意じゃないんだから(アセアセ)。

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