MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

後裔記と然修録

ミワラ〈美童〉たちの日記と学習帳

一学 4【七命暦と略すは浅薄。その内容は命の解説、運命の指南書】先達(せんだつ)、ムロー

E&L.ZR0202230004


一つ学ぶ。

近ごろ時おり、耳目に触れることがある。
古(いにしえ)のとある史(ふみ)の名を略して、七命暦と呼ぶ風潮。
これ、古くは息恒循(そっこうじゅん)と呼ばれていた。
それが、ここのところとんと久しく、その声を耳にしない。

そんな折、一人の門人が現れた。
然修録を読み、後裔記を読みしながら、独り学びはじめる。
これが、自修塾の起こりとなった。
と、どこかでそんなこぼれ話を聞いたような、聞かなかったような......。

先の史(ふみ)、その名を略さず正しくは『七息恒令循命暦』という。
なるほど、長い。

全体は、命の説明。
一旦は、方法論と書こうとしたが、思いとどまった。
どうにも、堅苦しい。
実際には、それほど堅くはないし、さほど苦しくもない。

主題の部分は、運命の指南書。
一旦は、指導書と書こうとしたが、思いとどまった。
どうも、しっくりこない。
剣道の教えは指南であって、指導ではない。
「それと、おんなじだな」
と、ひとりごちる。

さて、その命とは......。
息恒循に、こうある。
「知命して生き、運命を生き、天命まで生きる」
知命と天命は、全体の地(じ)の文。
いろいろと、説明をしてくれている。
意外と、長くはない。
あっさりしている。

で、運命。
これが、主題。
どうある?
こうある......と、サクッと書ければ、誰も苦労はしない。

そこで、提案が一つ。
主題のキーワードを目次ふうに並べて、カシャッと写真読み。
これで、如何(いかが)かッ!

パッと画面いっぱいに表示された写真を見て、右上の端からつぶさに視線を走らせること一時間....なんてことをする人は居(い)ないだろう。
たぶん。
たいがい普通は、瞬時に画面全体を脳裏に映し、パッといくつもの特徴を記憶の箱に放り込む。

姉ちゃん。
わたし。
姉ちゃん、泣いてる。
わたし、笑ってる。
猫、駆けてる。
庭。
犬、丸くなってる。
姉ちゃんの膝の上。

まあ、てな具合。

では、一枚の写真 …… パッ!

命、使者。
知命、運命、天命。

運命、成長。

立命、四十九年間。
幼、童、成、中、壮、老、晩。

循令、七年間。
飛龍、猛牛、猫刄、嗔猪、悪狼、石将、鐵将。

時令、一年間。
想夏、起秋、執冬、烈冬、結冬、推春、還夏。

恒令、一週間。
七養、内努、五省、外努、六然、自反、自修。

伝霊、一日。
腹創、頭映、体敲、烈徒、忍徒、堪徒、気養。

一魂、七息。
想、観、測、尽、反、疑、宿。

一息、命。


◎今日の録責(ろくせき)
◯先達、ムロー

◎息恒循(そっこうじゅん)、こぼれ話
「いーち、いーち、いっちに。そーれッ」
……海軍、連続歩調。2拍子 ♪ 行進曲
「ひーい、ひーい、ひいふう。はァはァ」
……人生、連続吐息。3拍子 ♪ 演歌
「想、観、測、尽。反、疑、宿。(一拍) 」
……運命、連続入魂。4拍子 ♪ ポピュラー