MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

後裔記と然修録

ミワラ〈美童〉たちの日記と学習帳

然修録 第1集 No.120

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未来の子どもたちのために、
成功するための神話を残したい。
そのために、働く! 読む! 書く!
今とここのみ、知命{是|かく}が如く。
南内 彬男
なんだい! あきお
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_/ 1 /_/ 『亜種記』 *電子書籍
息恒循を学ぶ子どもたちの闘戦の旅
_/ 2 /_/ 「後裔記」 *メールマガジン
亜種記を構成する諸書(実学紀行)
_/ 3 /_/ 「然修録」 *メールマガジン
亜種記を構成する諸書(座学日誌)
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_/ 3 /_/ 然修録 第1集の子どもたち
寺学舎 美童(ミワラ) ムロー学級8名
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※電子書籍編集のための記号を含みます。
  お見苦しい点、ご容赦ください。

#### ツボネエの座学日誌「心を鍛えろォ? それ、心に嫌われない?」{然修録|120} ####

 『心はどこにあり、どう付き合えばいいのか』
 《心の扉を開けるには……》
 《「自分の心に逆らっていることに気付けない」という悲劇!》
 少女学年 ツボネエ 少循令{飛龍|ひりゅう}

 {会得|えとく}、その努力に{憾|うら}みなかりしか。

 **{主題と題材と動機|モチーフ}**

 《 {主題|テーマ} 》

 心はどこにあり、どう付き合えばいいのか。

 《 その{題材|サブジェクト} 》

 心の扉を開けるには……。
 「自分の心に逆らっていることに気付けない」という悲劇!
 
 《 この主題と題材を選んだ{動機|モーティブ} 》

 あたいの後裔記……**{格物|かくぶつ}**より。

 抜粋! ……ヨッコ先輩の、言葉。

 「これから、{闘戦|とうせん}の時代が始まるの。男も女もない。心の強い者が、勝つ。人が見ていないところで善いことをする人が、心が強い人さ。だから、強い人が勝てば、世の人はみんな、世のため人のために生きるようになる。
 心が弱い人……即ち、人が見ているところで善いことをして、見られていないところで悪いことをする人たち……が、もし勝てば、あたいら民族は、あたいらの国は、みんなのこの星は、どうなると思う?
 だから、壊れないように、必ず勝つために、世のためこの星のために、心を鍛えなきゃダメなのさ」

 で……これを、{斯|こ}う書いて締め括った、アタイ。

 「ヨッコ先輩とは、偽物の集合体なのかもしれない……{故|ゆえ}に、心が強い!」……と(アセアセ)。

 ヨッコ先輩の素晴らしい働きで……アタイらは、自由を得た。ヨッコ先輩は、心が強い。どうしてだろう。どうやって、鍛えたんだろう。

 てか……心って、どこにあるのーォ?!

 **題材の{講釈|レクチャー}**

 《 心の扉を開ける 》

 「心と向き合う」……とは言うけれど、顕在意識は、それこそ自由自在に、自分に都合がいいように、言い訳や理屈を組み立てることができる。そんなもんと向き合って、どうするぅ? ……だよねぇ。
 なんでそんな……言い訳とか理屈みたいな*くだらない*ものを組み立てるのかァ! それは、「人生ってのは、思うようにならないものだ」って、思っているから。思うだけじゃない。現実も、思うようにならないからなんだと思う。
 それじゃあ困るっていうか、面白くないから、「心と向き合えッ!」って、他人に言ったり、自分にも言い聞かせたりするんだよねぇ? じゃあさァ……その自分って、どこに{居|い}るのォ? そいつが、心って{奴|やつ}なのォ?

 昭和の時代、日本でも、偉大な哲学者が現れて、有名になったそうです。その一人が、こんなことを、言っていた……。

 「自分が思うとおりに、心に描いたとおりに、世の中はなる。運の良し{悪|あ}しも、心に描いたままだ。
 {努々|ゆめゆめ}……決して、自分の心に、不安とか、疑念とか、怒りとか、{嫉妬|しっと}とかが、入ってきてはいけない。
 常にポジティブで、明るい思いを描き続けなさい」……と。

 やっぱりここでも、心じゃん!
 で、その心とは、やっぱり、潜在意識なんだと思う。
 同じく昭和と、平成の時代に掛けて、**心**をベースにした経営哲学の実戦で、偉大な功績を残した実業家も、こんなことを、言っている。

 「潜在意識にまで透徹するほどの強い持続した願望、熱意によらなければ、目標は達成できない。
 普段の顕在意識で思い続けていれば、それは必ず潜在意識にまで浸透し、思いもよらない強い力となって私たちを目標に近づけていくのです」……と。

 強く思い続けていれば、常に潜在意識が働いて、必要なものや必要な人材が目の前に現れたとき、「これだッ!」って、すぐに気づかせてくれるんだそうだ。そして、何か不測の問題が突如起こったときも、潜在意識が判断して、目標に近づくために正しい行動を起こさせてくれる……。

 こんな顕在意識を作り上げることが、正に「心の扉を開けること」なんじゃないのかなァ……なんて、難しいことは解からないけど……(ポリポリ)。

 《 「自分の心に逆らっていることに気付けない」という悲劇! 》

 「心の中」とは言っても、「それは脳の機能であって右脳の役割がこうで第何層でこんな働きをして……」なんて言われた日にゃあ、アタイはまた寝たきり{乙女子|おとめご}に戻っちゃうわァ!

 そっち系じゃなくって、もっと現実的で、前出の潜在意識の仕組みっていうか、思いや考え方系のことを知りたい……で、然修録のテーマとしては、ちょっとご無沙汰……アタイも、洞察力の本を、手に取った。
 先ずは、写真読み。目次を、目でカシャ! 見開き{頁|ページ}まるごと、写真読み……とはならず、右から一行ずつ読んでいく……(ポリポリ)。それでも、目次からズバリ、一番関係ありそうな節を選んで、その{頁|ページ}を開くって、意外と……どころか、ジェンジェン、ワカンナーイ!!
 観念して、{暫|しば}し読書……(アセアセ)。

 心がどこにあるか、その心が何を好んで何を嫌っているかを知らないと、悲劇が起こる……みたいな話。

 会社でいっぱい{凄|すご}い発明をして、特許をいっぱい取って「よッ、天才!」「〇〇さんって、宇宙人じゃない?」なんて言われてるような優秀な技術者が独立すると、その殆どの場合、大した発明が出来なくなる。

 当然? 金銭的に、苦しくなるから……ではない。その辺は、優秀な技術者。金銭的な計画は、完璧。個人事業主になったから、営業で走り回ったり事務処理で振り回されたりして、時間が無くなっちゃう? それも、無い。良い発明をすれば、その特許を売るだけの話だ。

 優秀な技術者は、一般的に言っても正しい情報を集める能力に優れている。しかも、{馴|な}れている。だから、判断の材料も、その材料を基にして出した「独立しても成功する」という結論も、どちらも間違いではなかったはず……だのに、失敗。
 しかも、お金や時間の問題なら、また正しい判断材料を集め直して、計画を修正すればいいだけのこと。でも、肝心の発明のほうが、どうにもこうにも{閃|ひらめ}かない。
 {即|すなわ}ち、凡才のフリーターになってしまったってことだ。どうして、そんな不思議なことが起こってしまうんだろう……。

 これぞ正に、自分の心の扉を、開いていないからなのだ。{況|いわん}や、自分の潜在意識が何を好んで何を{嫌|いや}がるかを知らないってこと。
 優秀な技術者の潜在意識は、「発明したい、発明したい」って、いつも思ってる。でも、発明して特許を取ることで会社から生活を保証されているもんだから、いい発明をすると、ある不安が芽生えてくる。「こんないい発明がまた出来るなんて、とても思えない!」……と。
 だから、「今のうちに、自分のために役立てよう。社内で発明して特許を取得できたって、おれに入るお金は、ボーナスにちょこっと上乗せされる程度だ。他の会社に、ビジネスの対等な立場で売り込みに行けば、かなりの大金で買ってくれるはずだ」と、思ってしまう。
 そこで、虎の子の特許を引っ{提|さ}げて、大手の企業に交渉に出掛ける。ところが、交渉は、物別れ……ならまだマシなほう。最悪は、門前払い。
 何故かてぇ? それは当然、自分の潜在意識が、嫌がっているから。彼の潜在意識は、頭を下げたりお世辞を言ったりが、大嫌い。況してや交渉の駆け引きなんて、まっぴらゴメン! 運よく交渉が成立したとしても、購買担当者の百戦錬磨の口八丁手八丁で、二束三文に値切られてハイ!さいなら♪ がオチだ。
 スポンサーや共同経営者がついたにしても、潜在意識が「交渉ごとなんて、まっぴらゴメン!」って言ってるんだから、上手く利用されてポイ♪ がオチ。

 更に、もう一つ。彼の潜在意識は、「盗みは嫌い!」と言って、彼がやったことに反発している。「何故ーぃ?!」……だって、{他人|ひと}さまの研究費を使って発明して得たものを持ち出して、特許っていう商品に引き換えてそれを売るんだから、そもそもそこが、間違いの元ってこと。
 普通の人はみんな、潜在意識が「盗みは嫌い!」って思っているわけだから、そもそも、独立して同じ研究を続けようって思った時点で、潜在意識に逆らっていることになるってわけ。

 で、素晴らしい閃きをしてくれたのは、誰ぇ? その逆らったり嫌われるようなことばっかりしてる、潜在意識さんじゃございませんことーォ?! いい閃きなんて、二度としてくれるはずないじゃん!

 発明家のみならず、昔から、世に名を残した科学者も、芸術家も、探検家も、作家も、みんながみんな、ただ好きだから、やりたくってどうしようもないから、やっているだけ。自分の技術や芸で、もっと安定したいい生活をするためには、どんな研究をしたり、どんな物を作ったり、どんな秘境にアプローチすればいいか……なんてことを真剣に考えたりなんか、絶対にしなかったはず。

 {何故|なぜ}、しなかったか……。
 そんなことを、自分の心は、望んではいない。自分の潜在意識に、逆らうことになる……ってことを、ちゃんと、理解していたからに他ならない。

 **{自反|じはん}**

 自分の心……潜在意識と仲良くしているうちが、人間にとって一番幸福なときなのかもしれない。

 {否|いや}……そうに、違いない。

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