MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

後裔記と然修録

ミワラ〈美童〉たちの日記と学習帳

_/_/_/ 然修録 第2集 _/_/_/ 第2回


   命の正体

 K2694年 想夏
 エセラ
 立命期 少循令 鐡将

 この世の時空のどこかに
 もし ぼくらの子孫が存在するなら
 伝えたいことがある

 命の正体は 感性だ
 理性も 知性も あとからいくらでも作ることができる
 でもね 感性は どうやっても 作れない
 だって 感性は {我|われ}が{儘|まま}だから
 どうして人間は 百年も生きられるんだろう
 それは 我が儘を 感性を 命を 大事に生きたから
 それでも 感性は擦り減り 人間は 死ぬ

 擦り減るから 焦って 理性や知性を 磨こうとする
 すると どうなるか
 笑うことを我慢して {嘘|ウソ}ばっかり言うようになる
 考える事が過ぎて 食欲もなく{萎|な}え引きこもる
 そうなったら もう 自然の生きものじゃない
 化け物として 自ら死に急ぐ

 感性とは 感じること
 集中しないと 感じることはできない
 ほかのことを考えると 集中なんかできない
 だから 感じたいときは 考えちゃダメ
 でも 考えちゃう
 目から 考える材料が 飛び込んでくる
 だから 目をつぶる
 するとこんどは 頭に何かが 湧き上がってくる
 次から次へと 考える材料が 浮かんでくる
 ダメじゃん

 だから 感じたいときは 目を半開きにする
 呼吸を 整える
 息恒循の {唯息|ゆいそく}
 {一刻|いっとき}の 吐息

 ひぃ吐息め {想|そう}
 ふぅ吐息め {観|かん}
 みぃ吐息め {測|そく}
 よぉ吐息め {尽|じん}
 いぃ吐息め {反|はん}
 むぅ吐息め {疑|ぎ}
 なぁ吐息め {宿|しゅく}

 そして 整う
 それが {吐無|ぬむ}

 考えると 息を吸う
 理性も 知性も 息を吸う
 吸ってばかりいるから 感性が鈍る
 感性が 命が 擦り減る
 吐けば 感じる
 命が 喜ぶ

 {一吐息|ひとといき}
 明けても暮れても ひと吐息
 今 生きている
 それが 命 

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発行 東亜学纂
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A.E.F. Biographical novel Publishing