MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

東亜学纂学級文庫

『息恒循』を学ぶ

一息104 ミワラ<美童>の後裔記 R3.7.24(土) 夜7時配信

#### 一息マザメ「お尻フリフリと*あたい*が投げた問い、その結末」{後裔記|104} ####


 《手……ではなく、お尻をフリフリして別れを告げたケツ……元い。ツケが回って、今も尾を引く悲劇の真相!》《ムロー学人が語る……あたいが投げた三つの問い》《層脳……潜在意識に{委|ゆだ}ねる》
   学徒学年 マザメ 齢12

 一つ、息をつく。

   《 手……ではなく、お尻をフリフリして別れを告げたケツ……元い。ツケが回って、今も尾を引く悲劇の真相! 》

 (まったくぅ!
 {呑気|のんき}にタバコ吹かして、ビールもどきの穀物ジュース、ちびちびやってるバヤイかよォ!
 てか、なんで男どもってのは、こうも持久力が低いのかねぇ。{鷺|サギ}の野郎は、どうでもいいとして……座森屋の御曹司は、書記だろッ! こういうバヤイ……。
 無論、ツボネエに記憶が役の書記は期待できんしーぃ。あたいだって、眠いわさァ! でも、問うた手前……てか、本当に知りたいから{訊|き}いたんだけどーォ……(ポリポリ)みたいな。
 まァ、どのみち、興味が無い{話題|トピック}は、記憶には残らないわけだし、もし目覚めたときに、頭ん中が真っ白だったら、それはそれってことで……。
 で、さァ。
 あたいって、ムロー先輩の話、ちゃんと聴こうとしてんのか……それとも、*眠る言い訳*を考えてんのか……。
 てかさァ。
 いつまでも*プカチビ*やってないでさァ。
 早く、{喋|しゃべ}りなさいよねーぇ!!)

 ……と、{苛立|いらだ}ちパッツンパッツンの、{莫|まく}妄想♪
 船出早々から続くイライラは、不眠症を引き起こし、船出直前に起こった下痢の兆候は、ケツの穴が大衆の面前で硬直してからというもの、以来ずっと、{頑|かたく}なに、便秘を貫いている。

   《 ムロー学人が語る……あたいが投げた三つの問い 》

 **一**に、
 「この島は、どうやってできたのか」

 {遥|はる}か昔、この辺一帯の海は、密林だった。
 その上に、海が{被|かぶ}さった。
 次に、海底に沈んだ密林から、溶岩が、海面の上にまで噴き出した。
 すると、小さな島が一つ、できた。
 するとまた、海底密林の別の場所で、噴火が起こった。そこにもまた、小さな島が一つ、できた。
 すると今度は、その二つの島の{間|あいだ}辺りの海底密林が、噴火した。この三度目の噴火は、三ケ所のなかでも最も大規模で、三度目の噴火で起きた島の山頂から流れ出て{止|や}まぬ溶岩は、ほかの二つの島の冷えた溶岩に{被|かぶ}さり被さりしながら、その後も、再三の噴火を繰り返した。
 {終|しま}いには、三つの島が陸続きとなり、一つの大きな島になった。古い溶岩の上に棲みついた陸上や海底の生きものたちは、どんなに溶岩に攻め立てられ痛めつけられようとも、その古いほうの二つの小さな島を、見捨てるようなことは決してしなかった。
 溶岩が被さるその数ミリの寸前まで、その島で頑張り、生き続ける……。
 そして{終|つい}に、赤黒い溶岩が、島のすべてを{覆|おお}い隠すと、生きものたちの命も、その存在を、この世から隠してしまうのだった。

 だが……その溶岩が冷えるのを、どこかに隠れて{強|したた}かに待っていたかのように、風が、波が、そして、鳥たちの体内を通って、下痢気味の液体に潜み……{或|ある}いは、羽根の一枚一枚に隠れて……草花の種がァ! 小さな虫たちがァ! 再び、この島にやってくるのだった。
 やって来る生きものは、種や虫たちばかりではない。空から、海から、{将又|はたまた}陸から、新たなる天敵が、次から次へと、襲い掛かって来る。
 そしてやっと、土着の動物や魚たちが、住まう手立てををやっと手にしたころ、また再び、赤黒い溶岩が、すべてを覆い隠す。そんな、不本意で不条理な繰り返しを、何百年、何千年と繰り返す。
 理不尽な、繰り返し……それを、習慣化させないために、生きものたちは、新たなる生きる手立ての発明を目指して、自らを変えはじめる。
 低地に天敵が多ければ、高地へ。
 地上で食われてしまうなら、地底へ。
 陸地に{餌|えさ}が{乏|とぼ}しければ、水際へ、海面へ……そして遂には、海に、潜る。
 昼が危うければ、夜に、行動する。
 これが、本当の、**進化**ってやつだッ!

 この島の植物も、虫たちも、森の動物たちも、鳥も、人も、そうやって、この島で、生きてきた。
 {所謂|いわゆる}、土着……{留|とど}め鳥や、{留|とど}め{人|びと}たち。
 この島は、そうやって、幾多のドラマを、映し続けてきたのだ。

 **二**に、
 「自然人が{企|くわだ}ててる人工知能チップについて、どう評価するか」

 {奴|やつ}らは、目まぐるしく、ボディーを進化させてきた。
 電子計算機→汎用機→タイムシェアリング→パーソナル・スタンドアロン→ワールド・ワイド・ウェブ→ノートPC→タブレット型長距離通信→巻物型オンライン→スタンドアロンチップ→リモートチップ……現在に、到る。
 データやアリゴリズム……{即|すなわ}ち、〈1+2=3〉で{譬|たと}えるなら、〈1と2〉や〈+と=〉を記憶する媒体も、急速な進化を見せた。
 紙テープ→パンチカード→ディスクパック→大判検索ファイル……そして、コンパクトディスクにUSB……少々古めかしくも、今{猶|なお}、現役!
 抜けと思い込みが多い十進法の人間の頭脳から、{誤り|バグ}が多い電脳二進法に翻訳する互換性専用言語も、両者の弱点を、互いが{嘲|あざけ}り、トラブルの責任を、互いが{擦|なす}り付け合いながらも、文明界の身勝手な要求に後押しされて、無責任のまま、変異増殖を続けてきた。
 その、{互換性専用言語|プログラム}……マシン語→アセンブラァ→フォートランに、PL/1→コボル→簡易という名の安易言語……現在に到って、はてさて!
 {況|いわん}や、コンピューターの知識や常識が無くても、誰にでも簡単に好き勝手なアルゴリズムを作って、電脳に記憶させることが出来るようになってしまったという{訳|わけ}だ。

 そこが、十万円、百万円♪ ……人生の分かれ道!
 ……と、相成った。
 リモートチップは、文明エスノの連中の脳髄に埋め込まれるようになった。
 これが、*電脳人間*の**誕生**だ。
 しかも、そのリモートチップは、データやプログラムの記憶のみならず、アルゴリズムまで、自ら作り出せるようになってしまったのだ。
 即ち!
 人間たちが、長年苦労して{培|つちか}ってきた〈1+2=3〉を、無情にも! いとも簡単に、〈1+2=0〉にすることが出来るようになったということだ。
 その電脳人間が、今や、文明人を、{操|あやつ}っている。それを逆手にとって、電脳人間を操り、文明エスノを改心させ、三つの亜種を、再び一つの〈ヒト種〉にしようと考えたのが、我らが自然エスノ……座森屋の血統だ。
 {所謂|いわゆる}……潜入班の、調査員。
 ヒノーモロー島の朗読室……調査学校の、卒業生たちだ。
 結果は……ザペングール島の、おねえさん先生。
 和のエスノにまで、その妖精のような清い心と{澄|す}んだ{身体|からだ}の美しさが、音となって聞こえ{亘|わた}っていたそうだ。それが、包帯とマスクと{杖|つえ}がなければ、人前には出られないような、{憐|あわ}れ無惨な{体|からだ}にされてしまった。
 {最早|もはや}、鷺助屋が唱え続けている過激な最終手段しか、道は、残されていないのかもしない。 

 **三**に、
 「次の百年ごとの戦乱から、次の天地創造まで、どうやって起こってゆくのか」

 この島で、その{話題|トピック}は、{禁句|タブー}だ。
 考えても見ろッ!
 自然……ネイティブな俺たちでさえ、潜入班という組織を{創|つく}り、調査員を文明界に送り続けているのだ。電脳人間を生み出したほどの頭脳を持つ文明人たちが、そこを、{疎|おろそ}かにするはずがないだろう。
 {故|ゆえ}に、この島に住まう人間たちは、顔や姿を観たり話を聴いたりしただけでは、和の人なのか文明エスノの調査員なのか、まったく、判断がつかんのだ。
 だから俺ら……俺とツボネエは、この島で、和のエスノとして、この半年間を、{堪|た}え忍んできたのだ。そこは、今後、おまえらも、{胆|きも}に銘じろッ! そこを、俺たちが抜かれば、おねえさん先生の{如|ごと}きでは、済まん。
 おねえさん先生は、美しすぎるから、あの程度で許されて、生き延びて命{辛々|からがら}、戻って来ることができたのだ。それがもし、俺らなら、秒殺で、{肥溜|こえだ}めの底だッ!

 だがそれも、この島で、技師長と出逢うまでの話さ。技師長の六年前の話を……。

   《 層脳……潜在意識に{委|ゆだ}ねる 》

 「ねぇ!」
 (はァ?)
 「ちゃんと、覚えたーァ??」
 (まーァ……)
 「まったくーぅ!! 眠っちゃったら、あんただけが、頼りなんだからねぇ! 解ってるーぅ??」
 (まーァ……)
 「はいはい。あんたに{訊|き}いたあたいが、バカでした。
 あたい、眠るから、あとは、宜しくーぅ♪
 目が覚める前に、今、ムローから聴いたこと、ちゃんと教えなさいよねぇ!
 メモるのは、あたいが、やってあげるからさーァ♪
 てか、目覚めて直ぐに、映し出さないでよねぇ!
 何分か何十分かは、ぼーッとしてんだからさァ!
 よろ、よ・ろ・ひ、くーぅ……ケッキョーォ♪ ホーォ……ケッキョーォ♪」
 (まーァ……)

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Ver.,1 Rev.,8
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