MIWARA BIOGRAPHY "VIRTUE KIDS" Virtue is what a Japanized ked quite simply has, painlessly, as a birthright.

後裔記と然修録

ミワラ〈美童〉たちの日記と学習帳

然修録 第1集 No.124

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未来の子どもたちのために、
成功するための神話を残したい。
そのために、働く! 読む! 書く!
人生は、今とここのみ。
{生業|なりわい}は、{莫|まく}妄想、意識、要領。
嗚呼、嗚呼、嗚呼……阿呆寅、
まだ、五つ♪(×12年駆動)
南内 彬男
なんだい! あきお
文筆{性懲|しょうこ}りもなく35年 (/▽\)
家父長{懺悔|ざんげ}の30年 m( _ _ )m
酪農修行ぼんくらの3ヶ月 ( ̄。。 ̄)
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_/ 1 /_/ 『亜種記』 *電子書籍
息恒循を学ぶ子どもたちの闘戦の旅
_/ 2 /_/ 「後裔記」 *メールマガジン
亜種記を構成する諸書(実学紀行)
_/ 3 /_/ 「然修録」 *メールマガジン
亜種記を構成する諸書(座学日誌)
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_/ 3 /_/ 然修録 第1集の子どもたち
寺学舎 美童(ミワラ) ムロー学級8名
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※電子書籍編集のための記号を含みます。
  お見苦しい点、ご容赦ください。

#### オオカミの座学日誌「徹底研究!生き残るために変わりたい俺」{然修録|124} ####

 『変わらなければ、{明日|あす}が無い。どうすればいい!』
 ● 多くの人を{惹|ひ}きつけた人は、{斯|こ}うあった
 ● 自分で「変わらない」と決めない限り、「変われない」なんて有り得ない
 ● 外の世界は、どこもかしも戦場……ならば、相変わって敵と渡り合わなければ、明日は無い
 学徒学年 **オオカミ** 少循令{石将|せきしょう}

 {会得|えとく}、その努力に{憾|うら}みなかりしか。

 **{主題と題材と動機|モチーフ}**

 ■□■ {主題|テーマ}

 変わらなければ、明日が無い。どうすればいい!
 
 □■□ その{題材|サブジェクト}

 多くの人を惹きつけた人は、斯うあった。
 自分で「変わらない」と決めない限り、「変われない」なんて有り得ない。
 外の世界は、どこもかしも戦場……ならば、相変わって敵と渡り合わなければ、明日は無い。
 
 □■□ この主題と題材を選んだ{動機|モーティブ}

 ムロー先輩の後裔記……**{格物|かくぶつ}**より。

 「ワタテツは、{美童|ミワラ}の縮図だ。
 我らは、相変わって、おめでたくならねばならぬ。
 {即|すなわ}ち、社交性!
 ……(中略)……
 今、必要な武器は、{槍|やり}でも鉄砲でもない。敵の奴らの気分を良くさせてやるための、話術や{仕種|しぐさ}……。
 即ち、〈暗示〉だッ!」

 ワタテツ先輩の{頑|かたく}なさをそのままにして、思考を未熟にし、学問を浅くしたのが……正に、おれだッ!
 ヨッコ先輩の根回しもなく、ムロー学級の級友たちに{囲|かこ}ってもらっていなければ、この島に着くや否や即刻、おれの命は消滅していたことだろう。
 だからと言って、何も変えられない自分が、ここに{居|お}る。
 背筋に、冷たいものが走る……(アセ?アセ?)。

 **題材の{講釈|レクチャー}**

 ◆◇◆
 多くの人を惹きつけた人は、斯うあった

 頭山満{翁|おきな}。
 孫文を{匿|かくま}った勇気ある行動で知られるように、とりわけ人間力の強さが歴史に刻まれている偉人だ。
 孫文は、当時世界的な革命家として、日夜殺し屋から狙われる存在だった。その彼を我ら{日|ひ}の{本|もと}の国に亡命させたのが、頭山翁{等|ら}日本人である。孫文は、下町の民家の二階に、匿われることになった。
 それが、あるとき……殺し屋が、そこを{襲|おそ}った。殺し屋から拳銃を突きつけられた頭山翁だったが、慌てる素振りなど微塵もなく、斯う言ったそうだ。

 「おう、殺すか。
 それも、しょうがねえだろう。
 最後に、煙草でも吸わせろや」

 吸った煙草の煙を、殺し屋に吹きつける頭山翁。
 そのとき、殺し屋に斯う話しかけたという。

 「人を{殺|あや}めるときは、一発で仕留めろ。
 それが、殺しの仁義というものだ。
 君の拳銃じゃあ、わしを一発で仕留めきれんぞ」

 のんびりとした口調だった。
 ……と、そのときだッ!
 同席していた柔道家が、その{隙|すき}を突いて飛び掛かり、殺し屋は、階段から叩き落されてしまった。
 頭山翁は、階下に転げ落ちてしまった殺し屋に向かって、斯う言った。

 「おい、忘れ物」

 そう言うなり、弾が入ったままの拳銃を、殺し屋目掛けて放り投げた。親切にも拳銃を無傷で返してもらった殺し屋も、この頭山翁という人物に惹きつけられた多くの人たちの一人となったに違いない。

 (こんな、頭山翁のようなでっかい人間に、*変わりたい*)と、少なくとも男ならみんな、そう思うことだろう。
 でも実際は、変われない。
 それが、現実だ。
 
 ◆◇◆
 自分で「変わらない」と決めない限り、「変われない」なんて有り得ない

 変わる変わらない、でっかい小さい……と、そんな人間の実際問題は、その人間の性格や資質に{因|よ}るものだ。それは、その人間の{思考や行動の傾向|ライフスタイル}に表れる。
 その人間が、外の世界を、どのように脳裏に映し出しているか。その逆で、自分自身のことを、どう見ているか。そんなあれやこれやには、それぞれそうあって当然と己を納得させるような意味づけが、{為|な}されている。その良し悪しがどうであれ、それらの在り方を集約した概念が、{即|すなわ}ちライフスタイルなのだ。
 このライフスタイルに幅を持たせるとするならば、狭く性格や資質から始まり、広くはその人間の人生観や世界観までをも含む……と、斯う考えるほうが、都合がいいのだ。
 (性格や資質は、変えようがない)という固定観念は、{殆|ほとん}どの人が持っている。だから、例えば〈悲観的な性格〉というものは、生涯変わらないと考える。なので、言葉を入れ替える。〈悲観的な世界観〉とする。性格は、変えようがないと考えるが、世界観なら、変えられるかもしれないと思う。だから、都合がいいのだ。

 さて、ここに問題がある。
 この、思考や行動の傾向……ライフスタイルというものは、自分の意思に関係なく、生まれつき備わっているものだろうか。
 生まれつきというのは、心臓が動いたり、{蠅|ハエ}が顔に止まったら手で払ったりといった、生きるための命の行動のことだ。思いや考えや行動が生まれつきではないことは、明らかだ。即ち、ライフスタイルは、自分で選ばない限り、身につきはしないということだ。
 この〈ライフスタイルの選択〉という一大事は、意識的であれ無意識であれ、概ね十歳前後に行われるものらしい。正に、寺学舎に{於|お}ける『息恒循』の少年少女学年……スピア、サギッチ、ツボネエの年代だ。
 少年少女期が、{如何|いか}に大事かは、今更に言わずもがなだ。{然|しか}し、今回の主題に於ける問題は、そこ……選んだ時期ではない。問題なのは、自ら*選んだ*という行為の事実を、認めることだ。即ち、自分で選んだのであれば、再び、何度でも、自分で選び直せばいいだけの話……と、言う訳だ。

 結論を、急ごう。
 ……なので、「変われない」という言い訳の真相は、選び直したくない、変わりたくないという、立派な自分の意思なのだ。
 〈事なかれ主義〉という言葉がある。この〈変えたくない主義〉も、同じことだ。多少の不満や不都合はあったにせよ、人間、変わったり変えたりしないほうが楽ちんで、安心して居られるものなのだ。但し、変わらなければ、不満がつきまとう。だからと言って変わろうとすれば、今度は、不安がつきまとう。

 選び直そうとすると、不安に襲われる。その不安に立ち向かうためには……そう、勇気だ。
 勇気が、必要なのだッ!
 これが、結論だ。

 ◆◇◆
 外の世界は、どこもかしも戦場……ならば、相変わって敵と渡り合わなければ、明日は無い

 ムロー先輩が、後裔記に書いていた言葉……。
 「我らは、相変わって、おめでたくならねばならぬ。
 即ち、社交性!」

 社交性の鍛錬? 社交性の修養? 社交性の会得? 体得?……*はてな*の数が、如何に多かろうと、やるしかないのだ。

 一に、如何なる敵とも、良好な{意思の疎通|コミュニケーション}を図らねばならぬ。
 二に、敵を、{支障なく滑らか|スムーズ}に説得せねばならぬ。
 三に、敵と衝突せずに、賢く意見を通し目的を果たさねばならぬ。

 さても、限りなく不可能に近いほど、難しいことのように感じてしまう。{然|さ}もあらば、言葉{遣|づか}い、表情、仕種を駆使して、不可能を可能にする心理術を、身につけなければならない。これこそが、{所謂|いわゆる}一つの〈暗示〉という心理術なのだ。
 早く{解|わか}らせたいからと言って、のっけから己の伝えたいことをズバッと言ったりなんかすると、{却|かえ}って敵から反感を買ってしまう。人の心というものは、想像以上に繊細微妙で、{移|うつ}ろい{易|やす}いものなのだ。

 自分の言動が、どんな意味を帯びて、どのような裏読みをされてしまう{危|あや}うさを含んでいるか……実際問題、相手の心を{逆撫|さかな}でしたり傷つけたりしてしまう危険性が如何ほどあるかなど、普通は、一々そんなことを考えながら喋ったり身体を動かしたりなどしないものだ。
 {然|しか}し、目に見え音に聞こえる相手の心情は、氷山の{一角|いっかく}に過ぎない。所謂、顕在する意識。氷山の大部分は、水面下にあり! 目にも見えず声にもならない心情……所謂これが、潜在する無意識と言われるものだ。
 即ち、意思疎通を図らなければならないのは、水面下の大部分……潜在する無意識のほうなのだ。

 発信する己のほうも、この水面下の無意識が、悪事を働く。無意識で相手がカチン!とくるようなコトバを発したり、相手がムカつく仕種をしてしまっているものなのだ。
 即ち、「敵は、表情にも言葉にも出さないが、曲解・誤解して、敵対心を燃え上がらせている……」という{懼|おそ}れが、多分にあるということだ。

 故に先ずは、敵の緊張感を{拭|ぬぐ}ってやり、安心……詰まりは油断させなければならない。これ正に、{武童|たけら}の先達諸氏が会得体得を目指いしている武の心……{戈|ほこ}を{止|とど}めさせる能力……心理術なのだ。 

 **{自反|じはん}**

 おれは、逃げていた。
 逃げる航海だった。
 正に、後悔だッ!
 これからは、向かってゆく。
 向かい風、{上|のぼ}りの航海だァ♪

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