#### 然修録「女に理解できない事が男らしさ、{法螺|ほら}吹きとド{阿呆|あほう}だ」 門人ワタテツ 青循令{猛牛|もうぎゅう} ####
男が男らしいのは、当たり前だ。男とは、*法螺を吹く*〈*ど阿呆*〉だ。男の職分がどうのこうのと言う前に、*男が男であらねば*、男の話は、始まらない。女に何と言われようが、男は男であって、女には、成り得ない。
一つ、学ぶ。
職分かァ。ヨッコにしては、上出来だッ!
上から目線みたいな物言いだが、そうではない。
ただ、言わせてもらう。
女が考えそうなことだ。
「世界中の女を敵に回す気ーぃ??」と、ヨッコの忠言が聞こえて来ないでもないが……まァ、聴け!
【一】 男とは、元気。{否|いな}なら、女だ。
男は、元気でいるために、バカなことを、いっぱいする。
俺も初めて聞く名前だが、村瀬玄妙というお坊さんが、{居|お}ったそうだ。
そのお坊さんが、元気になるための十則というのを、{唱|とな}えたらしい。
それが、{悉|ことごと}く図星で、面白い♪
一に、{翔|かけ}き。
二に、{志|こころざし}。
三に、ど{阿呆|あほう}になる。
四に、冒険。
五に、他人を気にしない。
六に、狂う
七に、型破り。
八に、開き直り。
九に、{天衣無縫|てんいむほう}(自然体で、すべてが美しく、{正|まさ}に、天真爛漫)の明るさ。
十に、{意気込み|ボルテージ}
……以上、十則。
ここで、一番に挙げられたのが、「翔き」。
問題多き隣国……その{古|いにしえ}、哲学の国と呼ばれていたころ、こんな教えがあったという。
「翔ばば必ず天に到らん」
……で、今の我が国の民は、どうか。
言わずもがな、翔ばない。
翔ばないから、元気がない。
{何故|なぜ}、野生の{鴨|カモ}が、元気の象徴と言われるのか。
それは、必然。
野鴨は、翔ばねばならぬからだッ!
【二】 野望は、{法螺|ほら}なり。
吉田松陰は、こんな言葉を残したそうだ。
「志高ければ気おのずから盛んなり」
志が高ければ高いほど、それを吹けば{戯言|たわごと}に聞こえてしまう。
{即|すなわ}ち、{法螺吹|ほらふ}きだッ!
吹いた手前、やるっきゃない!
目標は、法螺。
法螺に向かって、吠えろ!
これ、太陽に向かって闇雲に吠えるより、よっぽど効果がある。
法螺を{遣|や}り抜いてしまえば、世間は、それを、もう法螺とは呼ばない。
法螺→夢→目標→具現……おめでとーォ♪ ……の世界だ。
これを、〈法螺の吹き当て〉というそうだ。
言わずもがな、俺が生まれてこの方、こんな芸当ができる**男**は、聞いたことが無い。
兎も角、大志……夢を語る大法螺吹きは、元気がいい!
【三】 {狂愚|きょうぐ}……これが、男だ!
道理を心得ぬ、愚か者……即ち、ど{阿呆|あほう}!
これこそが、男らしさだ。
無論、今どき、こんな男は、とんと見ない。
吉田松陰の言葉に、こんなのがある。
「狂愚まことに愛すべし、才良まことに{畏|おそ}るべし。諸君、狂いたまえ」
ど阿呆は愛すべきだが、頭がいいだけの男は、信用できないばかりか、何をしでかすか、判ったもんじゃないという意味だ。
そんな才良と呼ばれる男が、{如何|いか}に危険で、如何に恐ろしいかを知っていなければ、こんな言葉は、出て来なかったに違いない。
さらに松陰は、{斯|こ}うも言う。
「狂は常に進取に鋭く、愚は常に{避趨|ひすう}に{疎|うと}し。才は機変の士多く、良は郷原の徒多し」
〈狂〉は、積極進取。
〈愚〉は、逃げることに{疎|うと}いこと。
この愚があるからこそ、{姑息|こそく」}な打算をせずに、ドッカン!ドッカン♪と新しい事に{挑|いど}める……と、いうことだ。
……まァ、異論諸説、何かと言いたいこともあろうと思うが、事実、これが、男らしさというものなのだ。
俺は、そう思う。
俺は、男だ。
俺は、男らしくありたい。
なかなか、難しいことではあるけんども……(アセアセ)。
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「教学編」朝7時配信……次回へとつづく。
「自伝編」は、教学編の前夜7時に配信です。
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その編纂 東亜学纂
その蔵書 東亜学纂学級文庫
その自修 循観院